3 今後の展望
再造林の推進に当たっては、森林所有者の経営意欲の低下や林地の集約化、担い手不足など、様々な課題があるため、それぞれの課題にしっかりと目を向け、「宮崎モデル」の構築に向けて具体的な施策を着実に進めていきます。
なお、「グリーン成長プロジェクト」において再造林率日本一を掲げていますが、再造林率は県内でも地域差があり、森林所有者の意識もまちまちで、ひとくくりにできないものと考えています。そのため、各地域に設置したネットワークにより、それぞれの地域の実情に応じた再造林の普及、森林所有者の相談対応等を実施していきます。
また、本条例の前文でも触れていますが、林業採算性が高いと見込まれる森林については再造林を推進し、それ以外の森林については針葉樹と広葉樹が混じり合った針広混交林や広葉樹林への誘導を進めるなど、森林資源の適正な管理・利用を図ることが重要です。
そのため、現地状況に応じた森林施業を選択・提案するなど、森林所有者をはじめ、林業関係者の共通認識となるよう、本条例の周知と併せて普及していきます。
最後に、本条例は、本県の林業・木材産業業界はもとより、県民生活にも直結する大変重要な条例となります。条例を制定して終わりではなく、むしろこれからがスタートであり、再造林の重要性や「宮崎モデル」の取組をテレビCMや新聞広告、SNS広告など様々な媒体を用いて、県民と広く共有し、誰もが“他人事”ではなく“自分事”として捉えてもらえるよう普及・啓発を行い、オール宮崎体制で再造林を推進する土台を築き上げていきます。
〇宮崎県再造林推進条例