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2024.10.10 政策研究

宮崎県再造林推進条例

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宮崎県環境森林課再造林推進室

1 条例制定の趣旨・概要

 宮崎県(以下「本県」という)は、温暖な気候と緑豊かな自然環境に恵まれており、県土の7割を占める森林は、木材をはじめとする林産物を生み出すとともに、多様な生態系を支え、清らかな水と空気を育み、災害から県民の生命と暮らしを守り、さらには地球温暖化対策の上で重要な役割を果たすなど、私たちの生活には欠かせない社会全体の財産といえます。
 本県においては、林政の基本方針である「宮崎県森林・林業長期計画」に基づき、持続可能な森林・林業・木材産業の確立に向けた各種施策を実施しており、農林水産省が令和6年7月19日に発表した「令和5年木材統計」によると、本県のスギの素材(丸太)生産量は184万6,000立方メートルで、平成3年以降、33年連続して日本一となるなど、国内有数の木材供給基地となっています。
 その一方で、近年、伐採後の再造林率は70%台にとどまり、再造林されなかった林地が増加しています。
 そのような中、本県では、子育て環境や農林業、スポーツ観光といった全国に誇れる強みを生かし更なる成長につなげるため、「3つの日本一挑戦プロジェクト」を立ち上げ、30億円の基金を設置して令和6年度からプロジェクトの本格展開を図っており、プロジェクトの一つである「グリーン成長プロジェクト」では、ゼロカーボン社会と地域資源を活用した産業成長の実現を目指し、再造林率日本一を目標に掲げ、抜本的な再造林対策に取り組むこととしています。
 再造林の推進は、森林資源の循環利用はもとより、二酸化炭素吸収源の確保や土砂災害の防止など、森林の公益的機能の維持にもつながる重要な課題であることから、県民一丸となって取り組むことが必要不可欠です。
 そこで、再造林の重要性について、林業関係者はもとより、県民全体で共有し気運醸成を図るとともに、再造林を推進していくための基本的施策を明らかにすることにより、森林の多面的機能を発揮させ、県民の安全・安心で豊かな暮らしを実現することを目的に、「宮崎県再造林推進条例」(以下「本条例」という)の制定を目指すこととしました。
 本条例制定に向けては、県議会への報告や県内市町村及び林業関係団体からの意見聴取を行うとともに、宮崎県森林審議会に諮問し専門的意見を聴くなど、各方面からの意見を集約しながら進めました。令和6年1月、県議会環境農林水産常任委員会に条例骨子案を報告するとともに、同月から2月にかけてパブリックコメントを実施し、県民の皆様から幅広いご意見をいただきました。その後、更なる検討を重ね、同年6月に本条例議案を県議会へ提出し、同月25日の県議会本会議において全会一致で可決・成立となり、再造林に的を絞った条例としては都道府県で全国初となる本条例を、同年7月2日に公布・施行しました。
 以下に、本条例の概要について記します(本条例の全文は本記事の末尾にリンクを掲載)。
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図1 宮崎県再造林推進条例の概要

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宮崎県環境森林課再造林推進室

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