千葉県教育庁教育振興部児童生徒安全課
1 条例制定の趣旨・概要
義務教育としての普通教育は、児童生徒の持つ能力を伸ばし、社会で自立的に生きる基礎を培うものとして極めて重要であり、学校教育は、児童生徒の心身の発達に応じて体系的・組織的に行われ、義務教育の水準の確保に大きな役割を果たしてきました。これは、今後も、義務教育における重要な柱として変わるものではありません。
しかし、社会状況の変化や児童生徒の抱える課題の複雑化、深刻化等に伴い、近年は、全国的に不登校児童生徒が増加している状況となっており、国では、平成28年に「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」が制定され、各種取組が行われてきました。
しかしながら、不登校児童生徒の増加傾向は続いており、本県においても、令和4年度の小中学校の不登校児童生徒数は、公立学校で1万2,082人と、10年連続の増加、過去最多となり、このうち、学校内外の専門的な相談機関等から相談・指導等を受けていない者が約4割存在する状況となっています。
こうした中、本県議会においては、超党派による「千葉県議会フリースクール等教育機会確保議員連盟」が設立され、不登校児童生徒の教育機会の確保に向け、条例の必要性を含めた調査研究が行われてきました。
その調査研究等を踏まえ、自由民主党千葉県議会議員会に、不登校児童生徒の教育機会の確保を支援するための条例の制定を目的としたプロジェクトチームが設置され、本条例の具体的検討が始まりました。
このプロジェクトチームでは、県内の不登校児童生徒の状況やフリースクール等の活動状況などを踏まえつつ、条例制定に当たっての課題を整理しながら条例案の検討が進められました。
その後、関係機関等との協議やパブリックコメントなどを経て、令和5年2月定例県議会において議員発議条例案として可決され、同年4月1日に施行されたものです。
本条例は、不登校児童生徒が学校に登校するという結果のみを目標とするのではないという考え方に基づき、不登校児童生徒の将来における社会的な自立に資することを目的としています。
そのために、不登校児童生徒の教育機会の確保について「不登校児童生徒一人一人の状況に応じた多様な学習活動を認めて支援すること」等の基本理念を定め、県の責務や関係者の役割を明らかにすることなどにより、不登校児童生徒の状況に応じた施策を総合的に推進するものです。
図 千葉県における令和4年度の公立小中学校の不登校児童生徒数の推移
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