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特集 今求められる子ども施策

2023.09.11 医療・福祉

子どもの貧困対策~子ども宅食プロジェクト~

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3 子ども宅食プロジェクトの運営資金の調達と運用

 子ども宅食プロジェクトの運営資金は、ふるさと納税を活用しており、その大きな特徴として返礼品がないことが挙げられる。返礼品がないことにより、いただいた寄附金を全額子ども宅食プロジェクトに利用することができる。ふるさと納税は本来、寄附文化の醸成や寄附を通じて地域の社会課題を解決するために活用すべきだが、返礼品ありきのお返し合戦になっている現状に対し一石を投じるため、返礼品なしのふるさと納税を活用することとなった。寄附の方法については、ふるさとチョイス経由によるクレジットカード支払、金融機関への納付書支払、文京区の窓口支払、現金書留がある。
 いただいた寄附金を子ども宅食プロジェクトに有効に活用するため、文京区では事業を開始した平成29年度に「子ども宅食プロジェクト基金」を設立した。いただいた寄附金は、文京区が全額基金に積み立て、毎年の事業運営費に合わせて、基金から同額を取り崩した上で、事業運営を行っている。この、基金の積立て及び取崩しに当たっては、文京区の予算に計上し、議会の議決を得た上で運用するため、適切な管理を行うことが可能となっている。

4 配送支援内容

 子ども宅食プロジェクトは、企業等から提供していただいた食品や日用品等を、基本的に2か月に1回の偶数月に配送を行っている。提供していただいた食品だけでは配送量に不足がある場合、その不足する分の食品を購入している。加えて、配送する内容にも工夫をしており、高校生の子どもがいる世帯にはお米を増量して届けるという利用者の世帯状況を考慮した対応も行っている。
 また、新型コロナウイルス感染症により影響を受けた家計の負担を軽減するため、令和2年3月から令和4年8月までの間、定期配送の食品を増量した「増量便」や、定期配送に加え「臨時便」による支援を複数回実施した。例えば、「臨時便」では学校の臨時休校に対応するため、子どもでも簡単に調理して食べられる食品を、「増量便」は8月の夏休み期間中に合わせて実施することで世帯の負担軽減を図った。最近では世界情勢の影響等により、食品等の物価高騰が続き、家計の負担がさらに増している。そのような状況を踏まえ、新型コロナウイルス感染症の際と同様に、物価高騰によって影響のある食品をベースとした「臨時便」の配送や全世帯にお米の量を増量した「増量便」の配送を実施している。
 令和4年1月には、食品の配送によって地域や社会からの孤立を防ぐという子ども宅食プロジェクトの目的を強化する一環として、子ども宅食プロジェクトでは初となる冷凍食品を含んだ「特別便」の配送を実施した。冷凍食品のため、置き配や宅配ボックスによる配送ではなく全世帯への手渡しを目指し、手渡し率を向上することで、社会からの孤立を防ぎ、利用世帯の緩やかな見守りを行うことができた。

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