市民マニフェストの実現に「協働」する課題を背負う「市民自治の市政第2ステージ」へ
選挙戦は、「この三つの選挙は私の選挙だ」と言い切ったように、泉市長(4月30日退任)の旋風が三つの選挙に吹き荒れた。県議選初日から泉市長を先頭に三つの選挙の「明石市民の会」の7人の候補が一団となって、市内を駆け巡った。文字どおり泉市長の“劇場型選挙”となり、驚異的な得票で県議選、市議選そして市長選で圧勝した。県議選は立候補表明から2か月余りの無名の新人が3万2,060票という兵庫県議選全体を通じてもダントツの得票でトップ当選し、定数4の明石選挙区で県会議長経験もある6期目を目指した自民県議を落選させた。市長選は丸谷氏がダブルスコアで圧勝し、定数30の市議選も泉派の新人5人が投票総数の3割強を得票し全員当選した。トップ3を占めた3人はかつてない1万票前後を得票し、驚かせた。
就任後の丸谷市長は、泉市政の優れた政策を継承するとともに、政治手法としては泉氏とは真逆の「ボトムアップ」と「徹底した市民参画」を貫く方針を明示し、自ら先頭に立って市民との“対話行政”に取り組んでいる。対立と不信が広がっていた職員や議会との修復も課題だ。
市長とともに大きな課題を、市民もまた抱えている。自らも関わってつくった「市民マニフェスト」を市政に生かしていく課題を背負った市長。行政にボールを投げる立場だった市民団体は、政策の実現にどのように協働していくかという課題を背負う。市民自治あかしは「市民自治の市政は第1ステージ(12年間)から第2ステージに入った」と位置付けている。