3 今後の課題や運用上の留意点など
冒頭でも触れましたが、高齢者、障害者等は今後も増加が予想されます。また、海外に目を向けても、インバウンドの多数を占めるアジア圏でも急速に高齢化が進んでいることから、ビジネスの観点からもユニバーサルツーリズムには国内外で大きな需要が潜在していると考えられます。
条例制定を契機として、高齢者、障害者等が「行きたいところ」に旅行できる兵庫の実現を目指し、より一層ユニバーサルツーリズムを推進していきます。
〇高齢者、障害者等が円滑に旅行することができる環境の整備に関する条例
令和5年4月1日
兵庫県条例第18号
目次
前文
第1章 総則(第1条─第7条)
第2章 基本的な施策(第8条─第17条)
附則
日々の生活を離れ、その土地ならではの風景、食、出会い、体験活動等を楽しむことができる旅行は、私たちの暮らしを豊かにする魅力を有している。
兵庫県では、国内外から兵庫県に来訪する旅行者の増加が見込まれる中、地域の環境、文化及び経済に配慮した持続可能な観光地域を目指し、多様な旅行者を受け入れるための基盤の整備や旅行者の観光地への来訪の促進に必要な情報の提供などに取り組んできた。また、国際社会において多様性と包摂性のある持続可能な社会の実現が世界共通の目標とされる中、全ての人がいきいきと生活できる福祉のまちづくりを推進するとともに、ユニバーサル社会づくりの推進に関する条例を制定し、ユニバーサル社会の実現に向けた取組を進めてきた。
少子高齢化が急速に進展しており、さらには、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律により、日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるものの除去の実施について必要かつ合理的な配慮が求められている。全ての人を包摂する視点が旅行においても求められ、旅行するに当たりこれらの障壁となるものが多く、移動又は宿泊に困難を伴う高齢者、障害者等も、安全で快適な旅行を楽しむとともに、希望する目的地、交通手段、施設、体験活動等を自由に選択することができる環境を整備することが喫緊の課題となっている。
このような認識に基づき、高齢者、障害者等が円滑に旅行することができる環境を整備することにより、持続可能な観光地域づくりの推進及びユニバーサル社会の実現に寄与するため、この条例を制定する。