(3)現状
令和4年度に、ユニバーサルツーリズムの利用者となる高齢者や障害者を対象にしたアンケート調査を実施したところ、障害等を理由に旅行を諦めたことがある人の割合は、障害者では41.7%、要介護・要支援の高齢者では34.6%、特別支援学校の児童・生徒の保護者では51.3%という結果になり、高齢者・障害者の多くが旅行を諦めていることが分かりました(図1)。
また、令和3年度に実施した宿泊施設へのアンケート調査では、ユニバーサルツーリズムの取組みに対して積極姿勢の宿泊施設は30.4%、中立姿勢の宿泊施設は44.8%という結果になりました(図2)。ユニバーサルツーリズムを推進していくためには、中立姿勢の施設をいかに積極姿勢へと促していくかが今後のポイントとなります。
図1 利用者へのアンケート調査
図2 宿泊施設へのアンケート調査
(4)経緯
令和3年11月にユニバーサルツーリズムの推進に関する検討会(以下「検討会」という)を立ち上げ、約1年半かけて条例案の検討を進めてきました。検討会は観光関連事業者や高齢者・障害者団体、有識者等で構成し、様々な立場から議論が交わされました。令和4年度には、より専門的に課題ごとの議論を行うため、検討会の下に制度設計部会と利用者部会を設置し、条例案に基づく施策の制度設計や高齢者、障害者等のニーズ把握を行いました。
その後、条例案に対する県民意見提出手続(パブリック・コメント)において寄せられた意見を踏まえて、令和5年2月県議会に条例案を提出し、当該条例は令和5年3月16日に可決、令和5年4月1日施行されました。