4 議員のなり手不足の打開の方途
(1)なり手不足解消の正攻法
ア 議員のなり手不足解消の正攻法
すでに指摘したなり手不足の要因を考慮すれば、なり手不足解消の正攻法は正の循環の創出である。表1の中の「解消の正攻法」及び「解消の正攻法の豊富化」を参照していただきたい。
議会改革の本道である議会基本条例に刻まれた議会を作動させること、そしてそれを「住民福祉の向上」につなげ、地域力アップの可能性を広げる。このことによって、議会・議員の魅力を向上させ、住民の信頼を勝ち取る。それが報酬の増額等の条件整備につながる。こうした活動によって、現行法の問題点を明確にして議会改革をもう一歩進める法改正を可能とする。
なり手不足解消策でも、議会基本条例に刻み込まれた議会運営を作動させ、住民福祉の向上のために活動することが重要である。つまり、議会改革の第2ステージである議会からの政策サイクルを作動させることである。
イ なり手不足解消の正攻法の豊富化
なり手不足解消の正攻法を豊富化する方途として、立候補者の対象を広げる、いわば多様性の充実戦略と、議員活動を行う上での条件整備が想定できる。前者は、女性、若者、障がい者といった新たな層(属性)の政治参加の促進、後者は議員報酬の充実などである(1)。詳細は省略せざるを得ないが、すでに示した表1を参照していただきたい。
なお、報酬額は、議会力・議員力のアップやなり手不足解消との関係が強調されるが、多様性とも結びつく。市区議員のデータであり、町村議会議員にも適合するとは断言できないが、今後の議員報酬、そして議会のあり方を考える上では参考になる。「議員報酬が高いほど、平均年齢が低かった」こと、「あわせて、平均年齢が低い議会ほど女性比率が高い傾向もうかがえた」ことである(2)。