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特集 インフラ・公共施設等の老朽化対策

2023.03.27 まちづくり・地域づくり

さいたま市の公共施設マネジメントの取組み

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4 公共施設マネジメントの取組み

(1)全体目標
 こういった現状と課題を踏まえ、本計画における全体目標(三原則)の設定に当たっては、ハコモノ(市民利用施設、行政施設)とインフラ(都市関連施設、企業会計施設)に大別し、ハコモノについては、新規整備を抑制し、施設の複合化を推進しながら、施設総量を縮減する方向性を打ち出しています。インフラについては、都市計画道路や公共下水道の整備状況にも見られるように、本市の整備水準が他市と比較して低いことも踏まえ、一定の新規整備を継続することとし、新規整備と改修・更新を合わせた投資額をコントロールすることとしています。

〈ハコモノ三原則〉
■新規整備は原則として総量規制の範囲内で行う(本市の成長・発展を支える核となる
 公共施設は総量規制の対象外とする)

■施設整備、改修・更新(建替え)には公民連携手法を積極的に導入する
■施設の更新(建替え)は複合化を検討するなど、施設総量(総床面積)を縮減する
 (60年間で15%程度)

 

〈インフラ三原則〉
■現状の投資額(一般財源)を維持する
■ライフサイクルコストを縮減する
■効率的に新たなニーズに対応する



(2)コスト縮減に関する取組みの強化
① 事後保全から予防保全へ
 第1次アクションプラン策定時に、今後改修等に多くの費用が必要になることを踏まえ、これまでの「事後保全」から、既存施設を有効活用するために計画的に改修しながら、長寿命化を図る「予防保全」に切り替えました。
 第2次アクションプランでも予防保全の取組みを継承しており、管理者点検、法定点検、劣化度調査及び躯体(くたい)の健全性調査等を実施し、計画的に修繕・改修を行うことで、安全に安心して長く使い続けることができる施設を提供するとともに、コストの軽減・平準化に取り組んでいます。

●事後保全
 建築物の部分あるいは部品に不具合・故障が生じた後に、部分あるいは部品を修繕・
交換し、性能・機能を所定の状態に回復する保全の方法。

●予防保全
 建築物の部分あるいは部品に不具合・故障が生じる以前に、そのことを予測し、部分あるいは部品を修繕・交換し、性能・機能を所定の状態に回復させ、建築物の性能を維持していく保全の方法。




 本市の「市有建築物の保全に係る基本的な考え方」では、建築から20年後に「中規模修繕」を行い、築40年後に「躯体の健全性調査」を行った上で、結果が良好であった場合は、「大規模改修」を行います。
 また、築60年後に再度「躯体の健全性調査」を行った上で、結果が良好であった場合は、「長寿命化修繕」を行い、築80年以上使用することとしています。
 個々の施設の予防保全のスケジュール等については、「個別施設計画」で定めており、その中で改修時期、内容、概算額等を示すことで、将来コストの把握や計画的な予防保全、予算の平準化が図られると考えています。
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図5 修繕、改修、建替えのイメージ(躯体が健全で80年使用できる場合)

② 複合化や統廃合、公民連携の更なる推進
 本市では、機能をできるだけ維持しつつ施設総量を縮減する有力な手段の一つとして複合化を推進しており、公共施設の更新の際は、用途が異なる施設の複合化や類似機能の統合などを検討することとしています。
 複合化には、コスト縮減等の財政効果のほか、複合化する施設の組み合わせによっては、様々な付加的価値の向上も期待されますが、場所によっては施設までの距離が遠くなる、セキュリティや動線の配慮が必要になる等の配慮すべき事項もあるため、施設の相性や地域バランスなどを踏まえ検討していく必要があります。
 また、公共施設の更新(建替え)が増加する第2期(令和3年?令和12年)以降は一層のコスト縮減を図る必要があることから、今後の公共施設の新設又は更新においては、公民連携の導入を検討することを基本としており、既存の公共施設の運営についても、これまで以上に公民連携の導入を推進していきます。
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図6 公共施設複合化のイメージ

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