〈実施プロセス〉(図8)
・業務を難易度、求められる能力等に応じて類型化。
・一定の技術力が必要な点検、修繕等は、複数・広域・多分野の業務の包括化により技術力を有する事業者を含む事業者連携により対応。
・日常的な維持管理等は、必要に応じ、共同企業体(JV)等を活用しつつ、地域の実情に精通し、現場へのアクセス性に優れた地元事業者により対応。
この「戦略マネジメント」の考え方に基づく取組を推進することで、事業者及び市区町村がそれぞれ機能的、空間的及び時間的にマネジメントの統合を図り、持続可能なインフラメンテナンスを実現するものであり、多様な主体による「総力戦」での実施体制を構築した上で、計画的に取組を進める必要がある。
図8 地域インフラ群再生戦略マネジメントの推進イメージ(案)〈実施プロセス〉
(2)包括的民間委託の導入促進に向けて
インフラメンテナンスの高度化・効率化を図るため、国土交通省では地方公共団体における民間活力の活用手段として、特に包括的民間委託に着目している。この方式は受託した民間事業者が創意工夫やノウハウの活用により効率的・効果的に業務を実施できるよう、巡回・維持など複数の業務や道路・公園など複数の施設をまとめて、地元建設会社等で組織するJVや事業協同組合などに委託する方式である(図9)。現状、この方式は下水道分野以外では比較的導入事例が少なく、導入による効果が地方公共団体に十分に理解されていない現状がある。そのため、国土交通省ではモデルとなる地方公共団体への導入支援等を通じ、導入促進方策の検討を実施し、検討成果や先行事例を参考にしつつ、2022年度中には、インフラ維持管理への包括的民間委託の導入の手引きを作成する予定である。国土交通省としては今後、「戦略マネジメント」の推進に当たっては、実施プロセスの体制として包括的民間委託の導入をより一層推進してまいりたい。
図9 包括的民間委託の概要