3 「地域インフラ群再生戦略マネジメント」の取組の推進
(1)「地域インフラ群再生戦略マネジメント」とは
地方公共団体における財政面・体制面の課題を踏まえ、国土交通大臣の諮問機関である社会資本整備審議会・交通政策審議会技術分科会の技術部会に設置された社会資本メンテナンス戦略小委員会において、これまでの老朽化対策の進捗状況や地方公共団体の動向等を把握して、これまでの取組のレビューを行うとともに、今後のインフラメンテナンスのあり方に関して議論を重ね、提言『総力戦で取り組むべき次世代の「地域インフラ群再生戦略マネジメント」~インフラメンテナンス第2フェーズへ~』がとりまとめられ、2022年12月2日に技術部会長及び社会資本メンテナンス戦略小委員長から国土交通大臣へ提言が手交され、公表された。
提言では、これから取り組むべき施策の方針として、市区町村における財政面・体制面の課題を踏まえ、「地域インフラ群再生戦略マネジメント」(以下「戦略マネジメント」という)という考え方が示され、その推進が求められている。具体的には、地域特性や地方公共団体間の機能的なつながりなどを踏まえて複数市区町村を基本とした対象エリアを設定し、個別施設のメンテナンスだけでなく、複数・多分野の施設を「群」としてまとめて捉えるという考え方である。その上で、地域の将来像に基づき将来的に必要な機能を検討し、個別インフラ施設の維持、補修・修繕、更新、集約・再編、新設等を適切に実施していく、地方のインフラメンテナンスのあり方を大きく変革していく取組である。
具体的には、計画策定プロセス及び実施プロセスに分けて取組を進めていくこととしている。
〈計画策定プロセス〉(図7)
・市区町村の既存の行政区域にこだわらない「地域」を設定し、その「地域」内に存在する複数・多分野のインフラを「群」としてまとめて捉える。
・地域の将来像に基づき、インフラ「群」の将来的に必要な機能(維持すべき機能/新たに加えるべき機能/役割を果たした機能)を検討。
・必要な機能を踏まえ、個別施設の修繕、更新、集約・再編等に関する計画を策定。
図7 地域インフラ群再生戦略マネジメントの推進イメージ〈計画策定プロセス〉