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2020.04.10 コロナ対応

【続々・緊急寄稿】新局面に「住民自治の根幹」としての議会をどう作動させるか~専決処分の限定と今後の議会対応

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新年度の議会対応――6月定例会にむけた課題(議会改革の年間計画の策定)

 新型コロナウィルスの感染拡大にともなって、「住民自治」を進める議会の対応について、二度にわたって緊急寄稿をしてきた。第1回目は、3月定例会での一般質問中止や傍聴中止の問題点(一般質問の取り下げは次善の策)を指摘した。第2回目は、議会改革の観点からも行政の対応への監視及び政策提言を行う必要があることを指摘した。いずれにおいても日頃の「住民自治の根幹」としての議会の活動が、今回のような危機状況でも問われていること、さらに危機状況であってもその「危機」性を冷静に判断しなければ、首長主導の地域経営にならざるを得ないことを強調したものである。
 第3回目の今回は、その第二回目の「議会改革を行政の対応への監視及び政策提言を行う」視点から専決処分について住民自治の作動させる視点から検討してきた。長期化する危機状況に「緊急事態における議会への対応」を考えることである。そもそも危機状況は「常態―危機」のゼロサム(二者択一)ではなく、その間には豊富なグラデーションがあり現状の位置を確認することの必要性について専決処分を素材に考えてもいる。
 第2回でも指摘したように、緊急事態における「住民自治の根幹」としての議会を作動させるために、特別委員会の設置は必要だ。今回の事態について、現時点では議会は常態として評価し、通常の議会運営を行う議会もある。逆に、「危機だ、危機だ」と叫んで通常からの逸脱を行った議会もあった。今後、議会対応の検証を行うだけではなく、緊急事態に対する行政対応の検証と行政への政策提言を行うために特別委員会の設置が必要である。
 福岡県古賀市議会は、「古賀市議会災害対応要綱」及び「災害発生時の議員行動マニュアル」(災害発生時の本会議運営マニュアル)に即して、「新型コロナウィルス対策会議」を立ち上げ、住民からの要望を集約している。2020年3月6日に第1回を立ち上げ、行政と並走している(現時点では第8回(4月7日))。古賀市議会では、同時に議会基本条例に災害対応、要綱に感染症を追加することを検討することを議会運営委員会で確認した。
 新年度に入って、補正予算を含めたさまざまな対応が議会には求められる。閉会中では新たな特別委員会設置は困難だとしても、すでに設置されている委員会や協議会等の活用や公式でなくても懇談会で議論を進めてほしい。すぐに、危機状況下の議会改革の年間計画の策定に向けての準備を早急に進めてほしい。
 今日、社会ではウェブ会議も広がっている。議会にも活用できる。とくに、産休の議員などが発言する機会の提供など、幅広く活用できる。スピルオーバー効果の1つである。危機状況への対応は、議会版BCPの策定・改編とともに、議会基本条例・会議規則の改正の際のテーマを設定している。
hyou3

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