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2020.04.10 政策研究

新型コロナウイルス感染拡大を受けた小平市の文化事業の対応について

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新型コロナウイルス感染症への対応

  東京都は、2月21日付けで、都主催のイベントの取扱いについて、2月22日から3月15 日までの期間のイベント中止等の対応方針を発表した。小平市も、東京都の発表を受け、市主催のイベントについては、2月25日から3月31日までの期間、大規模なもの(200人程度のもの)、食事を提供するもの等は、原則として延期又は中止とすることとした。
  この決定を受け、ルネこだいらを管理する当財団は、3月中の事業を中止又は延期とする決定をした。しかし、この時点では、この決定への不満が寄せられるなど、まだまだ理解が得られる状況ではなく、閉館をしなかったため、貸し館事業(市民等主催の事業)の多くは実施の方向で動いていた。
  その後、局面が大きく変わったのが、安倍首相の会見である。2月26日に「今後2週間の大規模イベントの中止や延期」を要請し、翌27日には、全国全ての小中高、特別支援学校を対象に「3月2日から春休みまで臨時休校を行うよう要請する」としたのである。
  学校の臨時休校のインパクトはとても大きかった。この日を境に施設利用のキャンセルが次々に寄せられたのである。
  これにより、3月の大ホール、中ホールのほとんどの事業が中止・延期となり、ホールが連日利用なしという、開館以来、初めての状態に、スタッフ一同ぼう然となった。
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館内掲示スケジュールポスター。中止の貼り紙が目立つ

ピンチをチャンスに

  市民ホールは、市民が一流の芸術に触れる場、また、市民の日頃の練習の成果を発表する場である。いずれにしても利用されて初めて価値が生まれるのである。このホールが連日使われないということは、市民にとって大きな損失となる。
  しかし、ホールでのイベントはいわゆる「3密」を回避することが難しい。連日空いている状態を諦めるしかないのか? この状態を黙って受け入れるしかないのか? これまで経験のない状況に無力感を味わっていた。
  現場対応としては、3月の有料公演の中止に伴うチケット代の返金事務、施設キャンセルによる使用料の還付事務(新型コロナウイルス拡散防止を理由にキャンセルする場合は、特例で全額返金することとしている)が始まり、電話での問合せ、窓口対応、返金処理事務等に追われていた。良質なプログラムを提供したいと企画を進めていた公演のキャンセルと返金、市民の夢をかなえよう、支援しようと準備を進めていた施設の貸出しのキャンセルと使用料還付。予想しなかった撤退戦。予定していた状態と現実とのギャップに疲弊し、職員のモチベーションも上がらず、職場の雰囲気もだんだん重くなってきていた。
  「ピンチをチャンスに変える」とよくいわれる。連日のホールの空き状況、職場の重い空気とゴールの見えない閉塞感は、まさに「ピンチ」である。では、このピンチをチャンスに変える方法はあるのか? この状況で何か前向きなことができるのか? みんなを元気づけることはできないのか? 下を向きがちなスタッフが前を向き、文化芸術に触れる機会が少なくなっている市民に何か届けられないかと、いろいろと考え始めた。

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