──地方議会初の取組みなので、苦慮することもあるかと思いますが。
フリースピーチで示された意見などをいかに生かすか、フォローするかが何よりも大事だと思います。開催後、どのように扱うか全員協議会で議員間討議を行いますが、初回のときはそれがなかなかうまくいかなかった。議員からいろいろな意見が出て、まとまらなかったのです。それで開催後のフローチャートを作成しました。
──それはどんな内容ですか。
(どう対応するか)意見がまとまった項目については、行政側に確認した上で、議会として申入書を提出します。まとまらなかった項目については、常任委員会での対応や関心を持った議員や会派・有志グループが対応した上で、再度、全員協議会で協議して報告書を作成・提出します。引き続きフォローが必要なものについては、関心を持つ議員個々が一般質問などで行政の対応を確認し、提言などにつなげます。こうした一連の流れを全て公開します。
私は3Tが議会の役割だと考えています。市民の意見・アイデアを取り上げ、議員間で討議し、政策を行政に提案することです。議会は市民の役に立つために持っている権限を最大限活用しなければいけないと思います。それには議員同士がしっかり議論することです。犬山市議会は今、(議員個々ではなく)議会として力を発揮する第2ステージに入っていると思います。
──ビアンキさんが議員になった頃(2003年に初当選)、犬山市議会はどんな議会でしたか。
今の議会の雰囲気とは全然違います。非民主的でした。議員同士の議論はなく、会派代表者会議でベテラン議員が仕切っていました。今は、あの会派、党、議員の提案だから反対だということはなくなりました。議論を尽くせば、意見は違っても互いに納得できるものです。
──新たな取組みを考えているのでしょうか。
市民フリースピーチ制度を今後も継続させたいと思います。それだけでなく議会への市民参加の全体計画をつくりたい。そして、その位置付けをどうするか議論して、できたらルール化したいと思っています。犬山市は今年(2018年)、行政と議会の共催による女性議会を10年ぶりに開催しました。また、親子での議場見学会や中学3年生の議場見学会も開いています。これらを発展させ、例えば子ども議会も実施したい。フリースピーチだけではなく、議会への市民参加をしっかりとルール化したいと考えています。議会基本条例を改正して市民参加の制度を盛り込むか、新たに単独の条例を制定するか、議論したい。今期中(2019年4月の市議選前まで)に方向性だけでも決められたらと考えています。