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2017.11.10 なり手不足

第2回 寺島渉さん(前飯綱町議会議長)~議論できる人材育成が究極の議会改革~

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――学ぶ議会、徹底的に議論する議会を実践してきた飯綱町議会にもいろいろな議員がいるのですね。
 (本会議での一般質問は一問一答方式で、対面式。質問回数は無制限で、議員の持ち時間は60分。町長に反問権が認められており、毎回、活発なやりとりが展開される。また、議員間討議が、頻繁に開かれる全員協議会の場で繰り広げられる。)

 そうです。私は、議会で一般質問を行う議員に必要な能力は3点あると思います。ひとつは現状を把握し、分析する力です。次に、問題点を解明し、きちんと整理する力も必要です。3つ目が、課題を解決するための政策を生み出す力です。議会の中にこれら3つの力を持った議員が半数以上いれば、議論は間違いなく深まります。

――議員間で議論する上で留意すべき点は何でしょうか。
 客観的な資料(データ)を集め、それらに基づいて議論を行うことです。自分の都合で資料を選ぶのではなく、誰もが理解し、納得できる客観的な資料です。思い込みや曲解を防ぐことができます。そして、議論の仕方も重要です。
 議論というのは(地域住民にとって)よりよい結論を導き出すための共同作業ですので、相手を攻撃したり、追い詰めたりせず、謙虚な姿勢でしっかり耳を傾けることが大事だと思います。
 (寺島さんは追及糾弾型の議員として名を馳(は)せた時期があり、その頃は「正論吐くが常に圧倒的少数派」と揶揄(やゆ)された。周りから敵視され、孤立無援の議員生活を送っていたのである。しかし、議会改革を進めるために自らの姿勢も変え、同僚議員との胸襟を開いた話し合いに徹することで、議会改革に取り組む仲間を1人、2人と増やしていったのである。寺島さんはそうした経験を基にある持論を持っていた。それは「議会を変えようと本気になって動く議員が2、3人いれば、議会は間違いなく変えられるが、それにはその人たちが粘り強く、とことん頑張り抜くことが必要だ」というものだ。)

定例会最終日(9月29日)を終えた寺島議長の表情に安堵(あんど)の色が定例会最終日(9月29日)を終えた寺島議長の表情に安堵(あんど)の色が

――熟議する議会を創り出す改革を進めてきましたが、ここに至るまで大変だったのではないですか。
 議長になった1期目の2年間が大変といえば、大変でした。議会改革に後ろ向きな議員が5、6人いまして、彼らに“寺島は自分を世に売り出すために議会改革をやっている”、“議会改革は自分のためだ”、“売名行為だ”といった陰口を散々いわれました。
 (彼らは1期目の議長任期が切れる直前に寺島議長の追い落とし工作に動くが、議長選の結果は10対5で、クーデターは不成功に終わった。議長選の直前に彼らの策動を知った寺島さんは肝を冷やしたという。)
 陰口をいう議員たちともとことん話し合い、「学ぶ議会・議員」に向けた取組みの重要性を訴えました。それで表立った反対はなくなりました。

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