5 地上戦のラスト30日をどう戦うか
前回の統一地方選挙から4年。4年間で、まちは様変わりしています。同じ選挙区内でも、人口が増えた地域、また減った地域があります。もちろん戦う相手も変わります。私は、自らが進んで応援したい政治家が身近(選挙区内)にいるということはとても良いことであり、有権者にとっては幸せなことであると思っています。同時に、普段の生活の中で何か特別なことが起きない限り政治家の方と関わり合いを持つことはないだろうとも思っています。
昨今は、良くも悪くも政治(家)と関わる機会がない方が増えているのかもしれません。政治家がテレビに出始めてから、見栄えを含めてタレント的な要素が求められるようになりました。有権者も公的な空間に出かける機会が少なくなりました。
ですから、誰に投票しようかと悩んだときに、政治家が発する情報量が限定的であった場合には、新聞やテレビの情報に頼らざるを得ないのも致し方ないのかもしれません。選挙における、いわゆる「風」とは、メディアの報道量とその方向性(論調や編集方針)です。
「風」によって動く票をメディアは浮動票といっていますが、私はその実態から“その都度支持”層と呼んでいます。「棄権はしたくないなぁ」と思ったときに、誰からも投票を頼まれていなければ、いくつかの選択肢を自分で準備し、その中から選ばざるを得ません。結果として、“その都度支持”層は、複数の候補者政党を支持している、又は支持することのできる幅を持つことになります。今の選挙情勢は“その都度支持”層の意向で決まっているといっても過言ではありません。そして候補者にとって身に染みて覚えておくべきことは、“その都度支持”層は、無所属で立候補する方を支援する予備軍ではない、ということです。なぜならば“その都度支持”層の最大の特徴は、自らが投じる1票のリアリティ(価値)に重きを置いて、投票先を決めるからです。
ここ最近の国政選挙におけるリアリティは、「候補者個人の人物や人柄」や「政党の政策やマニフェスト」を評価し、どっち(どこ)がよいかで投票先を選択するものではなかったと考えています。第45回・第46回の衆議院総選挙の1票のリアリティは「政権選択」でしたし、第47回衆議院総選挙では「安倍首相の信任」でした。いずれも、「日本のリーダーを選ぶことに参加する」が、そのリアリティでした。
そして来る統一地方選挙ですが、限りある新聞や雑誌の紙面、限りあるテレビ放映時間では、候補者数が多い統一地方選挙の候補者一人ひとりの人物や人柄、政策や公約を詳しく報道することができません。そして、おそらく「風」は吹かないでしょう。つまり、地方選挙は、日頃の政治活動、そして選挙期間中の地道な運動の成果がそのまま得票数になるのです。
間に合う? 間に合わない? いいえ、絶対に絶対に間に合わせてくださいませ。
皆様のご健勝をお祈り申し上げております。
草々