地域のこと、政治のことを知るために
当会発足のきっかけは、2002年秋に行われた女性セミナー「女性のための政治学~女性議員を増やそう」(小平市中央公民館主催講座)にある。講座を受講して、「純粋に政治のことをもっと知りたい」と思い、「いったいどのような政治が行われているのかを確認したいね」との意見を受講生同士で交わした。団体名を「政治・知りたい、確かめ隊」と命名して、2003年1月より活動開始。当初は女性だけだったが、現在は男性と半々ぐらい。正会員8名、会報を定期的に受け取る購読会員30名、合計38名で構成されている。
「小平のことを知るなら、まずは小平市議会を傍聴したらどうか」との提案で2003年6月定例会より傍聴を始め、傍聴後の感想や意見をまとめた『議会ウォッチングをしてみました』を市議会定例会ごとに発行し、約10年間で45号になる(現在46号作成中)。毎回500部を印刷して、市内公民館などの公共施設の情報コーナーに置いている。市議会の様子を傍聴席目線で伝え、"もっと地域に関心を寄せてほしい"との思いで毎号編集している。
傍聴を始めた頃は、議員から「なぜ傍聴に来ているのか」、「何か文句があるのか」と問われたことがあるくらい傍聴者は少なかったが、現在の小平市議会の傍聴席は特定のテーマだけにかかわらず、傍聴目的の市民が増えたように思う。市議会を傍聴すると、私たち市民の生活に直結することがたくさんあることが分かるし、また市長や議員の発言や様子がよく分かる。自分の近所のことだけでなく、市内全域又は近隣市の様子も分かる。選挙時の投票者を選ぶ決め手にもなっている。
傍聴での気づきはしっかり議会に伝える
代表の私自身、市議会の傍聴を始めてから、地域のことに関心を持つようになり、小平がもっと住みよいまちになったらいいなと思うようになった。議会ももっとこうしたらいいのではということも増えてきた。「関心があっても、仕事や育児・介護などで議場までなかなか足を運べないことも多くあるので、議場のインターネット録画中継があったら便利だな」とか、「議員の一般質問での一括質問制では質疑の内容がよく理解できないので、一問一答制を導入したら分かりやすいのではないか」、などと会のメンバーでたびたび話し合うようになった。当の議員は録画中継や一問一答制についてどのように考えるのか分からなかったので、2006年、こちらから申し出て議員と意見交換の場をつくった。当時小平市議会には5つの会派があったが、この意見交換では全会派からの議員参加が実現した。市民企画でこうしたことは珍しかったようだ。その後、「市議会議員との懇談会」と名称は変えたが、全会派の参加方向で継続的に開催している。参加する議員もこれに参加する市民も、それぞれ考え方の違う人同士が隣り合っている。
議会基本条例、議会改革など様々なテーマで学習会を行っている。
前記の意見交換を踏まえて、2008年12月に請願「わかりやすい市議会と、市民が市議会を知る機会を増やすことについて」を市議会に提出した。7回の審査を経て、2009年9月定例会最終日に挙手全員で可決された。結果、2010年9月定例会より一般質問における一問一答制の導入が開始され、現在は、全議員が一問一答制での一般質問となり、傍聴していてもその内容を理解しやすくなった。続いて、同年12月定例会より本会議のインターネット録画中継も開始され、自宅又は出先から本会議の様子をいつでも知ることができるようになった。
議員との懇談会は全会派出席で
この4年間、「市議会議員との懇談会」を毎年1回主催してきた。自分が支持している議員かどうかにかかわらず、市政に関わる政策課題や身近な地域課題について議員と直接自由に話し合える場は市民にとって貴重ではないか、と考えている。むしろ意見の違う又は考え方の異なる市民同士の話合いや議員との話合いは、普段はなかなか成立しないので、全会派議員の参加の下での開催は意味を持ってくる。市民の何げない一言が、市の施策に反映されるようになると、まちはもっと住みやすくなっていくはずだ。
小平市の場合、行政サイドは市民からの意見を求める場や仕組みをいくつか持っている。議会サイドではまだ始まったばかりだが、少しずつ増えつつある(小平市議会基本条例(2014年3月施行)では、議会報告会の年2回以上の開催を定めている)。私たち団体としては、市民サイドでの開催は、市民と議会をつなぐことが第一の目的であり、不定期でも継続していきたいと考えている。