地方自治と議会の今をつかむ、明日につながる

議員NAVI:議員のためのウェブマガジン

『議員NAVI』とは?

検索

特集 地方創生

2014.09.10 まちづくり・地域づくり

人口減少時代のシティプロモーション 営業する市役所 熱海市のメディア広報戦略

LINEで送る

メディア広報戦略のポイント

 対価を支払って情報を掲載してもらう「広告」とは異なり、「広報」とは、発信した情報がメディアにとって価値がある場合にのみ掲載につながるものです。
 一般に、新規性、社会性、話題性などニュースバリューがあるかどうかがメディアの判断基準になりますが、行政がメディア広報に取り組む際の最大の難関が「公平性」の壁です。熱海市ではこれに対する姿勢を「とがる」という言葉で表現しました。形式的な一律の公平性を重視して街全体の価値が停滞してしまうよりも、とがったもの(発信力があるもの)を選び、企画・編集によってさらに発信力を高め、メディアで「熱海」が掲載されることで、地域全体の価値を高めることが重要、という考えです。これはメディアの要請や判断基準(=視聴者にとっての価値)に応じて素材を提供するということであり、決して行政が恣意的に情報を選択しているわけでありません。

表:「広報」と「広告」の違い:「広報」と「広告」の違い

 熱海市では、外部への委託ではなく、市役所(広報情報室、観光経済課)の職員がメディア広報を実践しました。理由は、第1に地域の素材をよく知った上でメディアの視点を持ってマーケティング、ターゲッティングができること。第2に、組織にノウハウが残ること。第3に、金をかけずに知恵を絞ることで、リスク少なく挑戦できることです。
 こうしたメディア広報は、「師匠」を持ってメディア広報の基本をしっかり学べば、どんな街でも、誰でも実践できます。熱海市は、福井県庁の山田賢一氏(『行政ビジネス』(東洋経済新報社、2011年)の著者のひとり)、PR戦略コンサルタントの井上岳久氏、富士市産業支援センター長の小出宗昭氏などから多くのノウハウを学びました。
 その上で座学で終わらず、学んだノウハウを即実践し、覚悟を持って成功するまでやり続けることが重要です。市の発展のため、この間メディア広報に全力で取り組んでくれた本市職員に改めて感謝をしたいと思います。

まちのプロファイル

自治体名 熱海市(静岡)
所在地 〒413-8550 静岡県熱海市中央町1番1号
担当課 秘書広報課/観光経済課
電 話 0557-86-6070/0557-86-6192
人 口 国勢調査人口 (伸び率)
2000年 42,936人 (△5.9%)
2005年 41,202人 (△4.0%)
2010年 39,611人 (△3.9%)
(参考 住民基本台帳人口 4月1日現在)
2011年 39,828人 (△1.1%)
2012年 39,498人 (△1.1%)
2013年 39,287人 (△0.5%)
産業構造 2010年国勢調査
1次産業 286人
2次産業 2,159人
3次産業 15,102人
標準財政規模 2014年度当初予算
183億8,100万円
関連事業予算 2014年度ロケ支援活動(ADさん、いらっしゃい)
予算 120千円 (人件費は除く)

この記事の著者

議員 NAVI

今日は何の日?

2025年 425

衆議院選挙で社会党第一党となる(昭和22年)

式辞あいさつに役立つ 出来事カレンダーはログイン後

議員NAVIお申込み

コンデス案内ページ

Q&Aでわかる 公職選挙法との付き合い方 好評発売中!

〔第3次改訂版〕地方選挙実践マニュアル 好評発売中!

自治体議員活動総覧

全国地方自治体リンク47

ページTOPへ戻る