一般社団法人ポリライオン代表理事 太田佳祐
前回は、生成AI(以下「AI」と表記)の進化を振り返り、政策調査や行政資料の読み込みに活用する方法を紹介しました。国の制度や他自治体の取組を調べ、自分の自治体の資料と比較する作業にも、AIを使えるようになっています。
一方、調べた情報を一般質問や委員会で使うには、もう一つ仕事が残っています。必要な数字を抜き出し、比較表をつくり、出典を付け、行政に聞くことを整理する資料製作です。AIで調査した結果を、Wordなどへ貼り付け直している方もいるでしょう。
今回は、この資料製作をAIエージェントに任せる方法を解説します。AIエージェントの仕組みとChatGPTでの使い方を確認した後、空き家対策を題材に、読者の皆さんが実際に資料を用意し、入力し、完成した資料を確認するところまで進めていきましょう。
AIエージェントとは?
1)目的を伝えると、必要な作業を考えて進める
「エージェント」は代理人という意味です。身近な例では、仕事をお願いできる補助スタッフをイメージすると分かりやすいでしょう。
例えば、スタッフに会議の準備をお願いするとき、「この資料を読んでください」とだけ伝える場合もあれば、「資料を読んで、前回から変わった点と会議で確認する事項をまとめてください」と頼む場合もあります。後者では、相手が目的を理解し、資料を読む、比較する、確認事項を整理するという手順を考えて進めます。
AIエージェントにも、このように仕事の目的と求める結果を伝えます。依頼された内容を基に、どの資料を確認し、何を整理し、どの形に仕上げるかを考え、途中の結果を踏まえて次の作業へ進みます。必要な情報が足りなければ、利用者に確認することもあります。
(2)ツールを使い、文章の回答から成果物の作成へ進む
AIエージェントは、文章を生成する機能に加え、資料を読む、ウェブ上の情報を確認する、表をつくる、文書ファイルを作成するといった機能を組み合わせて作業します。こうした作業に使う機能を、ここでは「ツール」と呼びます。
例えば、複数の資料から制度の対象や利用実績を読み取り、同じ項目の比較表へまとめ、その結果を説明する文書をつくるという仕事です。利用者は、途中の整理結果だけでなく、内容を確認して使えるファイルを受け取ることができます。
ただし、使えるツールは利用環境や接続したサービスによって異なります。Google Driveへの保存を任せる場合には、そのための接続と保存権限が必要です。仕事を任せる際には、参照する資料と作業範囲を伝え、完成後に内容を確認します。ChatGPTでこうした複数の工程を伴う仕事を任せられる環境が、今回紹介するChatGPT Workです。
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