一般社団法人ポリライオン代表理事 太田佳祐
AIを使う議員から、AIを前提に仕事を組み立てる議員へ
この1年間、地方議員の仕事にAIをどう取り入れるかを、質問準備、広報、住民相談、議会運営、事務作業、議会DXなど、様々な角度から見てきました。
連載を始めた頃は、AIは文章をつくる便利な道具として受け止められることが中心でした。しかし現在では、資料を整理し、過去の議論を参考にしながら作業を支え、議員活動そのものを効率化する存在へと変わりつつあります。
最終回では、これまでの内容を振り返りながら、AIを活用する議員と活用しない議員の間で、今後どのような差が生まれるのかを整理します。その上で、これから何から始めるべきかを考えていきましょう。
この1年間で地方議員のAI活用はどう変わったか
この1年間でAIを取り巻く環境は大きく変化しました。地方議員にとっても、AIは一部の詳しい人だけが使う特別な道具ではなく、日々の実務を支える身近な選択肢になり始めています。
(1)AIは文章作成ツールから実務補助へ変わった
地方議員のAI活用は、質問原稿、SNS投稿、挨拶文などの文章作成から始まったケースが多いでしょう。文章のたたき台を短時間でつくれることは分かりやすく、AIを初めて使う際にも効果を実感しやすい活用法です。
特に、何を書けばよいか分からない状態から一定の形まで文章を整えてくれることは、大きな助けになります。会合後のお礼文、活動報告、住民への返信、議会報告の導入文など、毎日のように発生する文章作成を一から考える負担は、決して小さくありません。
しかし、現在のAIが支援できるのは文章作成だけではありません。行政資料の要約、議事録からの論点抽出、過去答弁の検索、住民相談の整理、会議後のタスク化など、議員活動の幅広い場面に活用できるようになっています。
AIエージェントを使えば、一つの作業だけでなく、一連の作業を流れとして支援できるようになります。相談内容を整理し、行政への確認事項を抜き出し、返信案をつくり、次にやることまでまとめる。地域行事の記録から、SNS投稿、活動報告、関係者へのお礼文をつくる。こうした使い方が現実的になっています。
AIは、一つの文章をつくる道具から、複数の事務作業を流れで支える実務補助へと変わりつつあります。これまで議員本人が頭の中で処理していた仕事を、見える形に整理してくれる存在になってきたといえるでしょう。
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