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2024.05.27 政策研究

第50回 参照性(その1):比較

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東京大学大学院法学政治学研究科/公共政策大学院教授 金井利之

自治体の比較可能性

 自治体は様々な意味で固有性を帯びている。自治体は唯一無二の存在であり、簡単に比較対照できるものではない。しかし、同時に、自治体は多数性を大きな特徴としている。それぞれに似た面がある類的存在であり、それゆえに比較対照が可能になる(連載第27回~第31回)。もっとも、すでに論じたとおり、どの自治体と比較するのかという対象設定は、一義的ではありえない。むしろ、どの自治体と比較するべきかという決定自体が、個々の自治体において固有性を帯びることがある。
 自治体を比較するときには、いくつかの側面がある。
 第1は、比較の客体・対象である。一つには、どの自治体と比較するかという前提レベルの決定が必要であり、また、二つには、その上での具体的な比較の作業が必要になる。しばしば、どの自治体と比較すべきかについて、ある程度のコンセンサスや常識があれば、前提レベルの決定自体が問われることはないかもしれない。そもそも、ある程度の比較対象としての前提レベルの合意がなければ、入り口で疑問が生じるから、比較作業の結果が訴求性を持たないからである。もっとも、比較対象を変えること自体、あるいは、比較対象を選択すること自体も、これまでの“常識”又は“思い込み”を改めるため、意味を持つことがあろう。

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金井利之(東京大学大学院法学政治学研究科/公共政策大学院教授(都市行政学・自治体行政学))

この記事の著者

金井利之(東京大学大学院法学政治学研究科/公共政策大学院教授(都市行政学・自治体行政学))

東京大学大学院法学政治学研究科/公共政策大学院教授 1967年群馬県生まれ。東京大学法学部卒業。 東京都立大学助教授、オランダ国立ライデン大学社会科学部行政学科客員研究員、東京大学助教授を経て、06年より現職。 専門は自治体行政学・行政学。主な著書に『自治制度』(2008年度公共政策学会賞受賞)、『原発と自治体』(2013年度自治体学会賞受賞)等。

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