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2024.02.26 議員活動

第7回 民主主義と議会②─熟議、闘技、深まる民主主義、参加民主主義の条件、市民と歩む議会

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元・大和大学政治経済学部教授 田中富雄

  本稿では、「民主主義と議会②─熟議、闘技、深まる民主主義、参加民主主義の条件、市民と歩む議会」と、これらに関する事項等について再考します。そして、その上で政策過程において、これらの言葉を発するときの「自治体議員の発言に期待される含意と政策」について考えたいと思います。

熟議の例──市民投票における意見変容

 市民投票においても、通常の選挙でも、その他の決定においても、投票の前にみんなで情報を共有し、じっくりと議論する過程を入れてみようというのが、熟議民主主義の発想です。宇野重規が述べるように、議論を丁寧にすることによって、投票結果が変わることが実験でも明らかになっています(宇野 2022:145)。このことは、慶應義塾大学DP(討論型世論調査)研究センターのホームページに掲載されている討論型世論調査[deliberative poll:DP]の内容からも確認できます。図1は、市民投票を例にとり、その過程を整理したものです。詳細は図に示したとおりですが、狭義の「意見変容」を含む広義の「意見変容」が投票結果に影響を与えることになります。
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図1 市民投票における主体別(登壇者・参加者・非参加者)の「意見変容」パターン

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田中富雄(元・大和大学政治経済学部教授)

この記事の著者

田中富雄(元・大和大学政治経済学部教授)

1955年生まれ。三郷市(埼玉県)出身。三郷市職員を経て、2017年4月から大和大学政治経済学部准教授、2019年4月から同教授。2020年3月病気のため大和大学を退職。龍谷大学大学院政策学研究科博士後期課程修了。博士(政策学)。専門・研究分野は、基礎自治体の統制/基礎自治体の経営。特に、自治体政府(議会・首長)、自治基本条例、総合計画、公共政策、まちづくりに関心がある。主な論文は、「議会における「議論の可能性」-三郷市自治基本条例を事例として」(村田和代編『これからの話し合いを考えよう (シリーズ 話し合い学をつくる 3)』、ひつじ書房、2020年)、「自治体計画に対する議会の制御」(廣瀬克哉編『自治体議会改革の固有性と普遍性』、法政大学出版局、2018年)、「自治基本条例の成立と展開」(龍谷大学博士学位申請論文、2014年)。

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