青森大学社会学部教授/早稲田大学マニフェスト研究所招聘研究員 佐藤 淳
《今回のキーワード》
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【SHORT STORY】
9月のある夕暮れ、ここち市議会事務局の執務室では、職員全員の緊急ミーティングが行われていた。窓の外を見れば、空は鉛色に重く、豪雨を予告する線状降水帯が近づいているのが見て取れた。
「最近、本当に自然災害が多いですよね。今回も被害が大きくならなければいいのですが……」と、中堅職員の江上が小声でつぶやく。その言葉に同意するように、他の職員たちもうなずいた。
山田次長は窓から離れ、部屋の中央に立って話し始めた。「記録的な豪雨、記録的な暑さ……地球が悲鳴を上げているのかね。それに、コロナ、ロシアの動き、想定外のことだらけじゃない」。
小学生の子どものいる福島良子は、心配そうに言った。「人口減少の問題もそう。私たちの子どもたちが直面する未来が思いやられるわ。今、何をすべきか、正直分からない……」。
江上が再び話題を変えた。「そして、当市にとっては、日芝の工場閉鎖。それに伴う雇用の問題、その後の閉鎖された工場の跡地利用。問題は尽きないですね。本当に厄介な問題だらけですよ」。
部屋には重い沈黙が流れ、誰もが今後の不安を感じていた。
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