青森大学社会学部教授/早稲田大学マニフェスト研究所招聘研究員 佐藤 淳
《今回のキーワード》
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【SHORT STORY】
6月議会も終わり、ここち市役所の食堂では、議会事務局の職員たちが、楽しそうにランチをしている。
「4年ぶりに開催した議会と市民との意見交換会、対面式からワールドカフェに変更して大成功でしたね!!」。「特に、古江議員が、ボサノバのBGMに、赤いチェックのテーブルクロス、お菓子や飲み物も準備する等、会場の雰囲気を良くするアイデアをたくさん出してくれたので助かりました」。広聴広報委員会を担当する福島良子が、いつも以上の笑顔で話している。
「ねえねえ、福島さん知ってる? 古江議員、今回ワールドカフェのファシリテーターを務めるために、わざわざ10万円の大金払って、ファシリテーションの研修会に参加したみたいよ。僕にはそんなこと考えられない」。山田次長が、日替わりのミックスフライ定食をほおばりながら、いつもの皮肉を。
「でもいいじゃないですか、参加した市民も楽しかったと喜んでいたし、私は担当者として本当にホッとしています」。
「僕ちょっと気になったことがあるんです」。若手の江上が、ボソッとつぶやき、話を続ける。「今回、ここち大学の佐藤ゼミの学生にも参加してもらったじゃないですか。ワークショップ慣れした学生は、グループの中でも積極的に発言してくれて助かりました。でも数人、ほとんどしゃべらない学生がいたんです。その学生以外にも、各グループに一人はあまりしゃべらない参加者がいて、ちょっと心配していたんです。本当はしゃべりたいことがあるんじゃないかな~って」。
「物静かな人、若しくは何も考えていない人。気にしなくていいんじゃない」と山田次長。
一足早く食後のコーヒーを飲んでいた田島裕子事務局長が、皆に問いかけるように一言。「それって、心理的安全性ってことじゃないかなあ~。本当はしゃべりたいことがあるのにしゃべれない」。
滝沢市議会の「議会フォーラム」の様子
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