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2023.06.12 議会改革

政治の劣化(投票率の低下・無投票当選者率の増加)の打開策(2):政治の劣化の要因と打開策の基本

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大正大学社会共生学部公共政策学科教授 江藤俊昭
 

【目次】(青字が今回の掲載部分)

 1 選挙に行かない、選挙に行けない現実──民主主義を「ゆでガエル」に
  しないために

 2 政治の劣化のデメリット
 3 議員のなり手不足の要因
 4 議員のなり手不足の打開の方途

 5 正攻法の豊富化のもう一歩:選挙を意識する
 6 なり手不足解消の特効薬:政治分野における男女共同参画推進法
 7 選挙を活性化させる新たな自治の動き
 8 なり手不足解消の方途の誤解
 9 選挙制度への着目──地方政治の劣化の解消法のもう一歩
 

3 議員のなり手不足の要因

(1)議員のなり手不足
 議員のなり手不足の要因を探ろう。都道府県議会議員と町村議会議員にはなり手不足問題が浮上しているとはいえ、要因はそれぞれ異なる。
 都道府県議会議員の場合、要因と解消策は単純である。選挙区と政党の意欲の問題である。一人区・二人区が多く候補者が固定化する。固定化は主要政党が候補者擁立に躊躇(ちゅうちょ)するためである。なお、一人区、二人区では、女性比率が極端に低い。多様性にとっても大きな問題である。
 都道府県議会議員選挙の無投票当選問題に関しては、政党の意欲と一人区・二人区を解消するなど選挙区問題を積極的に議論すべきだ。

(2)なり手不足の要因:「ならない」と「なれない」
 都道府県議会議員のなり手不足問題に対して、町村議会議員の場合は、深刻でその要因はより複雑である。議会・議員の魅力、議会・議員の活動条件、地域力、現行法体系という四つの要因が考えられる。問題は、人口減少と高齢化だけではない。人口減少・高齢化の自治体に必然の減少ではない。
 

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江藤俊昭(大正大学社会共生学部公共政策学科教授)

この記事の著者

江藤俊昭(大正大学社会共生学部公共政策学科教授)

大正大学社会共生学部公共政策学科教授。 1956年東京都生まれ。1986(昭和61)年中央大学大学院法学研究科博士後期課程満期退学。専攻は地域政治論。 三重県議会議会改革諮問会議会長、鳥取県智頭町行財政改革審議会会長、第29次・第30次地方制度調査会委員等を歴任。現在、マニフェスト大賞審査委員、議会サポーター・アドバイザー(栗山町、芽室町、滝沢市、山陽小野田市)、地方自治研究機構評議委員など。 主な著書に、『続 自治体議会学』(仮タイトル)(ぎょうせい(近刊))『自治体議会の政策サイクル』(編著、公人の友社)『Q&A 地方議会改革の最前線』(編著、学陽書房、2015年)『自治体議会学』(ぎょうせい、2012年)等多数。現在『ガバナンス』(ぎょうせい刊)連載中。

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