弁護士 太田雅幸
1 政治の世界におけるハラスメントの問題性
政治の世界におけるハラスメントは、①それに屈した職員による行政のゆがみの起因となること、②女性の政治参画の阻害要因となること、③公務員や議員スタッフの働きづらさの原因となること等いくつかの側面でその弊害がある。自治体の政治倫理条例上の議員の政治倫理基準の一つとして「ハラスメントをしないこと」が規定されるに至っているゆえんである。
①については、例えば、議員が職員の職務執行に対する不当な介入をし、教育委員会事務局の幹部職員が議員におびえて不正に職員給与を支払い、刑事事件に発展した事案(2019年)も報道されている。
②は、こんな職場はもうこりごりだと政治の世界から引退してしまう女性を生んでいる。
本稿は、主に、③の「働きづらさの原因」という側面にフォーカスして、議会におけるハラスメントを考えてみたい。
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