東京大学大学院法学政治学研究科/公共政策大学院教授 金井利之
境界の意義
自治体にとって区域は基盤であるために、区域や区域を画定する境界の確定は、極めて重要な課題である。
為政者にとっては、区域は、為政の作用対象となる義務又は権限の範囲を決めるとともに、為政による徴用・利用対象となる資源の範囲を決めるため、自らの権力に影響する。合利的に推論して、義務負担は小さく、権限を含めた資源獲得は多いことを、為政者は求めるかもしれない。区域の拡大/縮小は、義務負担と資源獲得を一体として拡大/縮小するものであり、資源獲得のみ行い義務負担をしないという「いいとこ取り」はできない。ただ、為政者が資源獲得を正当化するため、あくまで「地域における行政」という仕事をする(責任や義務や役割がある)からという理由が必要であり、その意味では、義務負担の拡大は資源要求の根拠となるので、両者は相乗的である。
つづきは、ログイン後に
『議員NAVI』は会員制サービスです。おためし記事の続きはログインしてご覧ください。記事やサイト内のすべてのサービスを利用するためには、会員登録(有料)が必要となります。くわしいご案内は、下記の"『議員NAVI』サービスの詳細を見る"をご覧ください。