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2022.05.25 政策研究

第26回 区域性(その6)

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東京大学大学院法学政治学研究科/公共政策大学院教授 金井利之

境界の意義

 自治体にとって区域は基盤であるために、区域や区域を画定する境界の確定は、極めて重要な課題である。
 為政者にとっては、区域は、為政の作用対象となる義務又は権限の範囲を決めるとともに、為政による徴用・利用対象となる資源の範囲を決めるため、自らの権力に影響する。合利的に推論して、義務負担は小さく、権限を含めた資源獲得は多いことを、為政者は求めるかもしれない。区域の拡大/縮小は、義務負担と資源獲得を一体として拡大/縮小するものであり、資源獲得のみ行い義務負担をしないという「いいとこ取り」はできない。ただ、為政者が資源獲得を正当化するため、あくまで「地域における行政」という仕事をする(責任や義務や役割がある)からという理由が必要であり、その意味では、義務負担の拡大は資源要求の根拠となるので、両者は相乗的である。

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金井利之(東京大学大学院法学政治学研究科/公共政策大学院教授(都市行政学・自治体行政学))

この記事の著者

金井利之(東京大学大学院法学政治学研究科/公共政策大学院教授(都市行政学・自治体行政学))

東京大学大学院法学政治学研究科/公共政策大学院教授 1967年群馬県生まれ。東京大学法学部卒業。 東京都立大学助教授、オランダ国立ライデン大学社会科学部行政学科客員研究員、東京大学助教授を経て、06年より現職。 専門は自治体行政学・行政学。主な著書に『自治制度』(2008年度公共政策学会賞受賞)、『原発と自治体』(2013年度自治体学会賞受賞)等。

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