慶應義塾大学大学院法務研究科客員教授 川﨑政司
1 多様性が希薄な政治
議会は、代表機関として、社会的・政治的状況等を背景に、多様な人々によって構成され、実在する多様な民意を公正に反映し、これを効果的に集約して意思決定を行う役割を担っている。しかしながら、自治体議会に関しては、議員のなり手不足だけでなく、その構成の偏りについても問題とされるようになっている。構造的な問題として重要な課題といえるが、他方で、それは選挙の結果であるとして、また、今後の自分たちの選挙への影響や候補者調整の困難さなどもあってか、どこか政治の側の反応は鈍いところがあるようにも見える。
すなわち、都道府県議会と市議会と町村議会、あるいは大規模自治体と小規模自治体による違いはあるものの、中高年男性の議員が圧倒的に多いという現実である。
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