慶應義塾大学大学院法務研究科客員教授 川﨑政司
1 議員が負う責任
議員は、議会の構成員として、その運営・活動に参加する権利と義務を有しており、とりわけ、議案の審議や調査においては、出席し、発言し、表決するのが、その基本的な責務である。その際には、住民の多様な意見を議会の場に表出し調整しつつ、総合的な観点から何が妥当なのかを判断し意思を示すことになるが、最終的には、多数決により議会の意思が定まることになる。
議会の議決・決定等の行為については、それが違法である場合には無効となりうるだけでなく、それによって損害が生じた場合にはその国家賠償も問題となりうる。議員についても議決責任といったこともいわれるが、基本的に、賠償責任を負うことがあるのは自治体であって、その議決に与(くみ)した議員がその表決行為について法的責任を問われることはない。議員が問われうるのは、政治的責任である。
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