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2021.01.29 議会改革

第16回 議員活動と政治倫理

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慶應義塾大学大学院法務研究科客員教授 川﨑政司

1 政治倫理とは

 政治倫理は、政治家個人の姿勢や判断の問題であり、法令で規制すべき問題ではないとの言もいまだ聞かれないではないが、政治倫理は、単なる道徳ではなく、政治に携わる者がもつべき職業倫理ないし責任倫理であり、政治を行うにあたっての行動規範となるものである。
 そこでは、その地位や権限を私的利益のために利用したり、職務の公正さを損なうような行為をすることなどが禁止される。政治倫理は、しばしば「政治とカネ」の問題として語られ、腐敗や汚職などが問題とされてきた。
政治は、公権力や公の意思の決定にかかわるものであり、いやしくも国民や住民の不信を招かないようにするためにも、それに携わる者には、ルールの遵守と厳しい自制が求められているといえるが、政治倫理が遵守されるためには、それを個人の判断に委ねるだけでなく、それを監視し、その違反行為に対し適切かつ迅速に処置するシステムが必要となってくる。政治倫理は決して法的な規制がなじまないものではなく、実際にも、大きな政治的なスキャンダルが生じるたびに制度の整備・規制の強化がなされ、様々な観点から法的な規律などが行われてきている。

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この記事の著者

川﨑政司(慶應義塾大学大学院法務研究科客員教授)

2007年より慶應義塾大学法科大学院客員教授。専門は憲法、立法学、地方自治法など。主な著書に、『地方自治法基本解説〔第7版〕』(法学書院)、『自治体政策法務講座第1巻 総論・立法法務』(編著、ぎょうせい)、『ポイント解説「地域主権改革」関連法 自治体への影響とその対応に向けて』(第一法規)、『行政課題別 条例実務の要点』(共著、第一法規)、『事例から学ぶ「自治体公法」入門』(公職研)、『自治判例から公法を読む』(公職研)、『法を考えるヒントⅠ』『法を考えるヒントⅡ』(日本加除出版)、『法律学の基礎技法〔第2版〕』(法学書院)、『現代統治構造の動態と展望-法形成をめぐる政治と法』(編著、尚学社)、『立法学のフロンティア3 立法実践の変革』(共著、ナカニシヤ出版)、『判例から学ぶ憲法・行政法〔第4版〕』(編著、法学書院)、『行政法事典』(編著、法学書院)、『注釈 公用文用字用語辞典〔第8版〕』(新日本法規)、『ビジネス法概論』(編著、第一法規)など。その他、著書・論文多数。

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