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2020.08.25 議会改革

第11回  自治立法における議会・議員の役割─議員提案条例をどう活用するか─

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慶應義塾大学大学院法務研究科客員教授 川﨑政司

1 協賛機関から立法機関への脱皮

 自治体議会を立法機関と捉える見方は、地方分権の進展により議会の役割の重要性が認識されるに伴い、一般化するようになってきている。しかし、これまでと実態が変わらないのであれば、執行部の協賛機関と呼ばれても仕方がないといえるだろう。自治立法の重要性が増すに従い議会も対応を迫られているのであり、名目だけでなく、議会自らが立法機関へと脱皮を図ることが求められている。
 ただし、そのことは、議会改革をめぐりしばしば語られるように、議会が政策形成の中心的な主体として自治立法を全般的・完結的に担っていくことを、求めるものではない。立法機関としての議会の役割は、国家や制定法の役割・あり方などとともに変化してきており、議会だけを立法者とする見方は妥当ではなくなってきている。条例については、執行機関がその政策を推進する手段となっていることも既に触れてきたところであり、また、立法は条例の制定をもって完結しないことも少なくない。その意味で、立法は複数の機関による協働行為として行われるようになってきているのであり、議会による審議・議決は基本的に同意調達のプロセスとなっている面もある。そのことを前提としつつ、立法機関としての現代的な役割・あり方を考えていくことが必要である。いたずらに議会主義(議会中心)の幻想を振りまくことも、逆に議会が立法の中心とならない限り立法機関でないとすることも、妥当ではない。

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この記事の著者

川﨑政司(慶應義塾大学大学院法務研究科客員教授)

2007年より慶應義塾大学法科大学院客員教授。専門は憲法、立法学、地方自治法など。主な著書に、『地方自治法基本解説〔第7版〕』(法学書院)、『自治体政策法務講座第1巻 総論・立法法務』(編著、ぎょうせい)、『ポイント解説「地域主権改革」関連法 自治体への影響とその対応に向けて』(第一法規)、『行政課題別 条例実務の要点』(共著、第一法規)、『事例から学ぶ「自治体公法」入門』(公職研)、『自治判例から公法を読む』(公職研)、『法を考えるヒントⅠ』『法を考えるヒントⅡ』(日本加除出版)、『法律学の基礎技法〔第2版〕』(法学書院)、『現代統治構造の動態と展望-法形成をめぐる政治と法』(編著、尚学社)、『立法学のフロンティア3 立法実践の変革』(共著、ナカニシヤ出版)、『判例から学ぶ憲法・行政法〔第4版〕』(編著、法学書院)、『行政法事典』(編著、法学書院)、『注釈 公用文用字用語辞典〔第8版〕』(新日本法規)、『ビジネス法概論』(編著、第一法規)など。その他、著書・論文多数。

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