伊万里市議会議員 盛 泰子
議会図書室に光を当てた今回の企画。大変時宜を得ていると思いつつ、正直なところ、伊万里市議会の議会図書室は取り上げていただく資格があるのかと当惑した。
しかし、この特集で全国の超先進事例を知り、それを目指して努力される議会が多い一方で、「うちの議会で、こんなことは無理だ」と、はなからさじを投げてしまう議員も多いのではないか……。まさに、この構図は議会改革の流れと似ていると感じ、むしろどこの議会でも「その気にさえなれば不可能ではないかもしれない事例」として公共図書館からのサポートによる伊万里市議会の取組みをご紹介することに意義を感じ、お引き受けした。
1 ある風景
写真1、2は、議員控室の一角にある、本や資料が並べられたスペースの写真である。これらは、伊万里市民図書館から提供されたものであり、おおむね3か月に一度、議会開会前のタイミングで入れ替えられる。2014年6月に始まり、5年以上続いている。
その時々における地域課題や社会のテーマなどについての図書や雑誌、論文のファイル等が20~30冊程度並び、議員は自由に手にとり、議会事務局での手続により貸出しを受けることができる。幅広い分野から選書されており、中には議員活動に役立つ「挨拶事例集」などもある。
また、3か月に1回各議員に配布される「まちづくり 資料の広場」と題する数頁の資料は、地方自治に関する資料や雑誌の目次のコピーで、新鮮な情報に触れる機会となっており、すでに81号を数える。その内容に関心を持った議員は図書館で借り、いち早く情報を得ることができる(伊万里市民図書館ホームページ(以下「HP」という)→「検索・予約」→「おすすめブックリスト」→「まちづくり資料の広場」)。
ここまで読まれて、「やっぱりうちの自治体では無理だ」と思われた議員があれば、ぜひ公共図書館のあり方についての意識改革から始めていただきたい。
写真1 市民図書館から議員控室へ提供されている資料たち。
写真2 図書だけではなく、新聞記事も大事な情報源。
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