北海道自治体学会会員/同学会議会技術研究会共同代表/札幌市職員 渡辺三省
浦幌町議会の挑戦~議員のなり手不足対策への取組み~
札幌から特急で帯広まで約2時間半、帯広からは普通列車で約1時間20分、雪の降る前の11月中旬、北海道浦幌町議会を訪ねました。浦幌町は、町の人口が4,775人、世帯数が2,287戸(平成30年11月末現在)、十勝地方の東部に位置し、農業・林業・水産業という豊かな一次産業を基幹産業とする緑あふれる自然豊かな町です。
浦幌町議会の議会事務局の職員数は3人(全国平均2.5人)、議員数は定数11人に対し、今任期(平成27年5月~ 31年4月)当初から10人と、1人欠員の状態が続いています。つまり、議会全体として見れば、「議員のなり手」が不足した状態にあります。浦幌町議会では、議員と議会事務局が連携・協力して議会の活性化策を検討し、項目ごとに体系化することで、議会基本条例の制定につなげました。しかし、町長等行政のチェック機関である議会の議員に欠員が生じている状況では、議会活動が十分であるとはいえず、そこには、人口減少が進む地方の小規模自治体議会の苦悩が見えます。そこで、浦幌町議会の最近の議会活性化策と、議員のなり手不足対策への取組状況について触れてみたいと思います。
浦幌町議会の議会活性化策~議会事務局との連携~
浦幌町議会の議会活性化は、第1次(平成23年5月~27年4月)、第2次(平成27年5月~ 31年4月)の2期8年にわたっています。このうち、第2次活性化では、議員のなり手不足についての検証も行われました。
浦幌町議会の改革は、議会事務局が他の自治体議会等に対して調査を行ったり、ホームページ情報を含め多様な情報収集を行うなど、積極的に関わり、ボトムアップで改革を進めていくやり方です。議員の皆さんが改革の必要性を強く感じていたことから、重要な判断は議会が行い、議会の立場での、事務局長、議事係長の獅子奮迅(ししふんじん)の対応が改革を支えるという、「チーム議会」による自由闊達(かったつ)な議論のたまものといえるでしょう。
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