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2019.02.12 政策研究

第11回 議会が無作為抽出型の住民協議会を主催する~岡山県新庄村~

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地方自治ジャーナリスト 相川俊英

小さな村議会が踏み出した大きな一歩

 JR米子駅から伯備線の各駅停車に乗車し、約40分。鳥取県日野町のJR根雨駅で電車を降りると、目の前に大きな建物が現れる。日野町の町役場である。おそらく、日本で一番、駅近くにある町役場ではないか。駅前旅館ではなく、駅前役場とでも呼ぶべきか。あまりに近いのでつい立ち寄ってみたくなるが、それをこらえて根雨駅前から車に乗り込み、国道181号線を20分ほど走る。途中、車は四十曲トンネルを抜け、鳥取県から岡山県に入る。山を越えると明らかに空の色が変わり、ほどなく岡山県新庄村の目的地に到着した。2019年1月12日(土)の午前9時頃だった。

Jichinoninaite11_ph01築50年の味のある新庄村役場。

 人口900人ほどの新庄村は、江戸時代に出雲街道の宿場町として栄えた小さな山村だ。古い町並みを今なお残す美しい村で、日露戦争の戦勝を記念して1906年に植えられた桜の並木を誇る。宿場町の桜並木は他にあまり例がなく、がいせん桜通りの名で全国的に知られている。また、新庄村は1889年の町村制施行以降、他の自治体と一度も合併せずに単独を貫いている稀有(けう)な自治体でもあった。
 そんな新庄村で全国初の取組みが進んでいると知り、おっとり刀で駆けつけたのである。新庄村議会が主催する「村づくり自分ごと化会議」である。これは、村議会がシンクタンク「構想日本」(加藤秀樹代表)の運営支援を受けて開く無作為抽出型の住民協議会で、議会全体での主催は全国で初めてとなる。テーマは「老朽化した村役場庁舎をどうするか」で、2018年11月26日に第1回目が開かれた。この日は2回目の会議で、コーディネーターを務める「構想日本」の伊藤伸・総括ディレクターとナビゲーター役の福嶋浩彦・中央学院大学教授に同行取材した。二人とも地方自治の現場に精通し、かつ、住民自治のあるべき姿を追求・実践する自治のエキスパートである(新庄村での住民協議会の取組みの経緯については、磯田博基・村議会議長へのインタビューを参照)。

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相川俊英(地方自治ジャーナリスト)

この記事の著者

相川俊英(地方自治ジャーナリスト)

地方自治ジャーナリスト。1956年群馬県生まれ。地方自治の取材を四半世紀以上にわたって続ける。2019年7月に「議員NAVI」にて連載中の「自治の担い手の再生」を加筆してまとめた『自治体職員のための住民と共につくる自治のかたち』(第一法規)を出版。この他に、『地方議会を再生する』(集英社新書、2017年)『奇跡の村 地方は人で再生する』(集英社新書、2015年)『反骨の市町村 国に頼るからバカを見る』(講談社、2015年)など多数。

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