議会事務局実務研究会 林敏之
自治体議員の皆様、こんにちは。今回は、議会棟の中で最も存在感がないと思われる、議会図書室についてお届けします。新人議員研修時に入ったきりという方も多いかと思います。そこで今回は、議会図書室の可能性についてお届けいたします。
何で議会に図書室があるの?
議会棟には議場や委員会室をはじめ、会派室や会議室など様々な部屋が設置されています。その中でおそらく一番存在感のない部屋が「議会図書室」ではないでしょうか?
なぜこんなものが(失礼!)設置されているのか不思議に思う方もいるかもしれません。ご存じの方も多いでしょうが、議会図書室は地方自治法100条19項に基づいて設置されており、すべての地方議会にあります。そして同法17条及び18条に基づき、国から送られる官報や都道府県から送られる公報などを保管しなければなりません。その他、当該自治体や周辺自治体から送られる行政資料なども保管しています。
また、議会図書室は市民が利用できるようにしてもよいとされており、都道府県など大きな議会では市民が気軽に図書室を利用できるようになっていますが、区市町村議会では利用の実績はほとんどないようです。
自治体議会の議会図書室の現状は?
さて、議会図書室の現状はどうでしょうか? 一番多いのは「物置」となっている議会だと思います。次々と送られてくる資料が机の上に積まれ、少し前の定例会資料から野球道具、昔の議員の茶わんなど、さらには何が入っているのか分からないパンドラの箱のようなものまで存在し、蔵のような存在になっている議会も多いのではないでしょうか。
また、議会図書室を会議室や議員控室などと兼用している議会も多く、図書室としての機能が生かされているとは言い難いのが実情です。予算不足による蔵書の不満や専任の職員がいないことによる蔵書の未整理などにより、使う人がいなくなり、図書室として利用できないから物置と化したり他の用途へ転用したりしてしまうのです。
筆者はある自治体議会で庁舎建替えにより新たに設置した議会図書室を見にいったことがあるのですが、議会図書室と称されるスペースが、廊下に面して設置された本棚のことを指していました。物置になるようなのデッドスペースを設けるくらいなら、これでいいという割り切った考え方もあるのだなと驚きました。
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