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2017.09.11 政策研究

予知の困難さ再確認 政府の巨大地震対策~事前避難の計画づくりも~

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一般社団法人共同通信社編集委員兼論説委員 諏訪雄三

 地震は突然起きるとされているが、東海地震だけは、約40年前にまとめられた大規模地震対策特別措置法(大震法)に基づいて「予知は可能」を前提に対策の枠組みがつくられている。当時の地震研究で予知の可能性があるとされていたからだ。
 大震法によって東海地震の被害想定地域を中心に、地震への備えが強化された半面、今や国際的にも不可能とされている「予知」を前提にした法律が残ることが、不必要な楽観を生む可能性も指摘されている。
 内閣府の中央防災会議などで8月に新しい報告がまとめられた。これらに共通するのは、過去にとらわれず、新しい発想で防災対策をつくり上げるべきだとする意見だ。2つの報告をベースに南海トラフ巨大地震などへの備えを考えたい。
 

大震法は機能せず

 政府の中央防災会議「南海トラフ沿いの地震観測・評価に基づく防災対応検討ワーキンググループ」が8月25日にまとめた報告書は、東海地震への対策と、南海トラフ巨大地震への対策を分けて示している。
 まず、東海地震の予知の可能性については、「現時点においては、地震の発生時期や場所・規模を確度高く予測する科学的に確立した手法はなく、大震法に基づく警戒宣言後に実施される現行の地震防災応急対策が前提としている確度の高い地震の予測はできないのが実情である」とされた。
 1978年に制定された大震法では、東海地域で異常な現象が捉えられると、必要に応じて大規模な地震に結びつく前兆現象と関連するかどうかについて、地震学研究の第1人者からなる地震防災対策強化地域判定会を開く。これを受け「もうすぐ東海地震が起きそうだ」と気象庁長官が判断した場合、その旨を内閣総理大臣に「地震予知情報」として報告。首相が警戒宣言を出して、地震に備えることになっていた。

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諏訪雄三(共同通信社編集委員兼論説委員)

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