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2015.04.10 仕事術

好感力アップの情報戦略 議員のためのメディア・トレーニング(上)

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姿勢が良いと自信にあふれているように見える

 姿勢が良いとどれだけ得をするかご存知でしょうか。背筋をまっすぐ伸ばしているだけで堂々として見えるため第一印象がとても良くなります。反対に背中が丸まっていると自信がないように見えるため、信用できない、明快でない、うそをついているのでは、といった感情を相手に抱かせてしまいます。では、正しい姿勢とは、どのような状態のことなのでしょうか。実際にポーズをとってみましょう。
 男性は足を肩幅くらい(20〜30㎝)の位置で自然に開きます。女性はかかとを閉じるか少し前後にずらします。かかとはしっかり床に着け上下・左右に動かさないようにしましょう。お腹は引っ込め、あごを引いて胸を張り、背筋を伸ばします。肩と手の力は抜いて力まないようにします。手の位置ですが、立っている場合は自然に垂らします。座っている場合には前に軽く重ねます。手や指は不必要に動かさず、無駄な遊びをなくします。
 肩を一度上にあげて下ろし、胸を張って、お腹を引っ込める、このプロセスを繰り返すことで誰でも確実に姿勢は良くなります。

背筋はピーンと背筋はピーンと

好感を持たれるアクション

 私は10年間映像演出の現場に立ってきました。その後、日本人経営者だけでなく、海外の経営者、ゲームクリエイター、俳優、映画監督、スーパーモデルなど様々な方々へマスコミ取材を設定してきました。その経験に基づいて「記者から好感を持たれるアクション」の基本項目を下記に整理してみました。

自分から声をかける

 取材を受ける前から記者の名前は分かっているはずです。そこで、記者が来たら、「○○さんですね」と名前を呼んで声をかけましょう。ねらいは記者をリラックスさせるためです。記者は大抵ひとりで会社に来て取材をするわけですが、うまく相手から聞きたい情報を聞き出せるか、あたかも敵陣に乗り込むような緊張感を持ってきています。
 そこで、自分の名前を呼ばれれば、ほっと緊張がほぐれ、親近感を持ってもらうことができます。ここで目をしっかりと合わせて、アイコンタクトすることも忘れないようにしましょう。必ず第一印象は良くなります。

あごを引き締める

 あごを上げると冷たい感じを相手に与えますので、特別な目的がない限り、あごは引き締めましょう。

腕を組まない

 腕を組むのは、相手を受け入れないサインになります。反対に、腕を下ろし、心臓を相手に向けるのは、相手を心から受け入れるサインになります。そこで両手を広げたゼスチャーで語ることができれば、メッセージ力は高まります。記者懇談会といった非公式会見などの場合にはジャケットのボタンを外すとよいでしょう。オープンマインドな態度を感じさせ、信頼感を演出することができるからです。

記者の名前を時々呼ぶ

 取材を受けている最中に、時々記者の名前を呼びましょう。メモをとっている手を休めて取材対象者の顔を見上げますので、そこで目が合い、目と目のコミュニケーションができます。議員、特に首長ともなると取材をたくさん受けるため、記者一人ひとりの名前や顔を覚えていないことが多いのです。記者もそのことは分かっていますが、自分の名前を呼ばれれば、「ああ、自分の名前を覚えてくれたな」とうれしくなるのです。

腕を伸ばして届く距離に座る

 腕を伸ばして相手に触れることができる距離に座りましょう。近づいて場所を共有すること、時間や空間を共有することは、とてもコミュニケーションにおいては大切なことです。1時間でも2時間であっても同じ時間と空気を共有することはひとつの出会いであり、人生の記憶になります。広い部屋でよそよそしく接するのではなく、思い切って近づきましょう。近づいた分だけコミュニケーションは深くなります。
 また、対面して座るのではなく、90度の角度で接することができると、より親近感が増します。

握手でエネルギーを送る

 握手は確実に記者からの好感度を上げます。選挙活動でも握手は行いますが、取材対応の握手は全く性質が異なりますので注意が必要です。選挙活動中に行う有権者との握手は「私を応援してください」というお願いの意味合いがありますが、記者との握手は、「お願い」ではなく「対等」な立場で行います。ですから、握手も相手の目をまっすぐ見てゆっくり、堂々と行ってください。
 外国人記者の場合には、握手は必ず行ってください。握手でなくても、相手の目をしっかり見て、エネルギーを送ることができればよいので自分のスタイルをつくっていきましょう。
 首長や議員は選挙活動で握手をしていますので慣れていると思いますが、記者の側からはなかなか握手はできないかもしれません。握手でなくても、相手の目をしっかり見て、エネルギーを送ることができればよいでしょう。いずれにせよ、自分流のエネルギーの送り方を決めます。
 好感を持たれるアクションを自分がどれだけ実行しているか、チェックしてみましょう。
□取材前に記者の名前を覚えて、自分から声をかけているか
□あごが上がっていないか
□心臓を相手からそらしたり、腕を組んだりしていないか
□ソファに深く腰掛けて態度が横柄になっていないか
□記者の名前を時々呼びながら、話を進めているか
□腕を伸ばして届く距離で話をしているか
□最初、若しくは最後に握手をしているか

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石川慶子

この記事の著者

石川慶子

広報コンサルタント/日本リスクマネージャー&コンサルタント協会理事 有限会社シン取締役社長、日本広報学会理事、日本リスクマネジャー&コンサルタント協会会員。東京女子大学卒業。国会職員として参議院事務局勤務後、1987年より映像制作プロダクションにて、劇場映画やテレビ番組の制作に携わる。1995年より広報サービス会社のマネジャーとして記者会見、ウェブコミュニケーション、危機管理広報等のサービスを提供。2003年会社を設立して独立。現在は企業・行政・学校に対し、平時・緊急時の戦略的広報の立案やメディア・トレーニング、広報部門育成のためのコンサルティング等を提供。著書に『マスコミ対応緊急マニュアル─広報活動のプロフェッショナル』ダイヤモンド社(2004年)がある。 ホームページ:http://ishikawakeiko.jp/

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