学校監査の実施とポイント
先の監査計画のところでも触れたが、現体制となってから本市では毎年、学校監査も行うようになった。学校監査を行っている自治体がどれくらいあるのかは承知していないが、学校監査はとても重要であると本市では考えており、昨年度と今年度の2回実施してみて、その思いは一層強くなっているのが正直なところだ。特に「監査委員による実査」が大事である。
では、実際に学校監査ではどのようなところを見ているのかを紹介すると、一つ目は、「私物化」のチェックである。これは、学校開放を通じて、地域の団体が倉庫や備品を、申請や許可なく置いているケースがある。これらは行政財産でも教育財産でもないため、扱いは慎重になされるべきで、トラブルのもとにもなる。また許可があったとしても、更新がされず担当者が代わっていたり、学校に鍵を預けられていなかったりと、管理も曖昧になりやすいので確認をされるとよい。本市では実査で倉庫の中も確認していて、学校開放に関係のないものを発見したケースがあったほか、何の倉庫か学校がそもそも把握できていない倉庫や、倉庫の位置が申請場所と異なった場所に置かれているケースなどもあった。
倉庫の私物
二つ目は、「危険物」のチェックである。理科室や保健室の薬品、特に鍵をかけての保管が義務付けられている硫酸、塩酸、水銀など毒劇物の保管状況や使用期限などを確認し、併せて管理簿の記載も適正にされているかをチェックする。また、図工室や家庭科室なども刃物や工具等が保管されており、管理状況を確認する必要がある。本市では期限切れの薬品が多数あったほか、薬品棚の転倒防止器具が外れたままのものが見つかるなど、どの学校もこの点については課題点が多いことが見受けられる。
期限切れの薬品
そして三つ目は、「お金」のチェックである。学校では、学校徴収金基本計画を定めて移動教室や卒業アルバム制作などのために、様々な学校徴収金を集めているが、学校徴収金基本計画に記載のない方法で徴収しているケースがあり、是正する必要がある。このほかにも校長口座の管理や交際費の支出基準、現金出納簿、様々な支出負担行為など、学校ではお金の取扱いが多々あり、これらについてひと通りチェックするとよい。併せて校長室などにある「金庫」の中もチェックするのを忘れずに。本市では、校長口座の出納簿がなかったり、学校徴収金基本計画にない方法で集金をしていたり、校長室の金庫内に出納簿に記録されていない不明金が見つかったりと、様々な不適正なものが見つかっている。本市の学校監査の結果については、ホームページにも掲載して公表しているので(https://www.city.akiruno.tokyo.jp/cmsfiles/contents/0000000/863/r06gaxtukou.pdf)、ご覧いただければ大いに参考になると思う。