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特集 今改めて考える議選監査委員制度

2025.03.10 議会運営

あきる野市における監査の改革と進展

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監査計画をしっかりとつくり込んで、監査の質と意識を高める

 限られた機会や文字数の中で、どのような事例について紹介するのがよいか選択に迷うところもあるが、まずお伝えしたいのが「監査計画」についてである。自治体監査の世界においては、近年、先に触れた2017年6月に地方自治法等の一部を改正する法律(平成29年法律54号)が公布され、2020年4月の施行により、各自治体の監査委員は監査基準を定め、年間の監査計画を立てて、これに基づいて監査等を実施することとなった。
 監査計画とは、1年間の監査等をどのような視点で、いつ頃実施するかなどの方針を定めるものだが、私が議選監査委員となっての初動で、様々な有識者や書籍から学び、認識を深めたところとしては、「監査計画に記していないことは基本的にできない」というものがあった。そのため、本市の監査委員では、現体制となってから監査計画の見直しに着手し、この3年間、毎年バージョンアップを重ね、現在の内容に至っている。端的にその見直し内容について紹介すると、バージョンアップ1年目となった昨年度計画の主な改正点としては、これまで記載がなかった「監査委員の役割」を明記し、「基本方針」では冒頭に「市民の視点に立ち、市民に身近な監査等」の項目を立て、常に市民目線で監査等を実施する姿勢を掲げ、市民に分かりやすい計画とするために、文言や小見出しの修正も重ねた。このほか、監査委員や事務局職員の専門性の向上や、事務局職員の人材育成といったことについても新たに基本方針に明記し、「監査等の種類」のところでは、これまで本市で取り組めてこなかった「学校監査」を加えるなど、充実を図った。そして今年度の計画には、基本方針の中に他都市事例の収集と活用、市職員への周知、デジタル技術の活用という項目を追加したほか、「監査委員会議」の明確化も図ったところである。なお、来月からの新年度の計画では、「品質管理」について新たに盛り込む予定だ。詳細については、本市のホームページでも公開しているので、参考にしていただければ幸いであるhttps://www.city.akiruno.tokyo.jp/cmsfiles/contents/0000010/10697/r06keikaku.pdf.pdf
 いずれにしても、監査の質を上げていくには、監査計画をしっかりとつくり込み、その計画を意識し、計画にのっとって展開していくことが肝要である。また、その一方で感じていることは、監査計画を果敢に見直していこうなどといえるのは、議選監査委員ぐらいではないか。ここに議選監査委員の役どころの一つがあると実感している。
 Gisenkansa_ph04

2年前に大幅な見直しを行った際のファイル。
都内26市に加え、先進自治体の監査計画に目を通してから議論をスタートさせた。

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