可児市における監査体制の現状と監査方針
可児市では、代表監査委員(非常勤識見監査委員)を名古屋税理士会から推薦いただき、4年任期で議会の同意をもって選任している。また、議会推薦による議選監査委員を同じく議会の同意をもって選任しているが、議会の慣例により2年の任期としている。監査委員事務局は事務局長を含め職員3人で運営しており、公平委員会と固定資産評価審査委員会事務局を兼任している。
令和6年度の監査実施方針は、可児市監査基準3条の趣旨にのっとり、住民の福祉の増進と市政の信頼確保に資するため、「行財政運営の健全性・透明性の確保」に寄与し、「経済的・効率的かつ効果的な事務」を促すよう、市の財務事務を二つの視点に基づいて監査するとしている。
行財政運営の健全性・透明性の確保については、市政の信頼確保につながるよう、以下を意識して監査を行っている。
・毎年度同じ業務内容の契約であっても、安易に従前の価額で契約することなく、契約
額が今も適正か、見直すべき内容(仕様)がないか、安価にできる事業者がほかにな
いかなどを検討したか。
・随意契約については、競争入札に適さないものか、随意契約の理由は適切か、適正価
格の検討を行っているか。
・補助金交付や指定管理を担当する所管部署が、日頃からそれら財政援助団体等の状況
確認・検査などを適切に行っているか。
・職員が内部統制を意識し、誤りや不正の防止に努めているか。特に、現金や備品など
について、適正な管理ができているか。
・事務処理に軽微な誤りなどが認められる場合には、より大きな問題に発展する前に対
策がなされているか。
次に、経済的・効率的かつ効果的な事務について、職員の改善意識を促し、事務の品質向上につながるよう、以下を意識して監査を行っている。
・前回までの監査で課題として挙げられた事案について、その後どのような対応がなさ
れているか。
・組織の方針や課題に基づいて、市民サービスの向上や事務の能率化のために、業務改
善について検討・実施しているか。
・現状の仕事にムリ・ムダ・ムラがないか。
・職員はPDCA意識を持って業務を行えているか。
・職員の育成や働き方改革など、働く環境の改善に取り組んでいるか。
実施に当たっては、監査委員2人で監査等を実施し、事務局職員3人が補助する。監査等の実施にあっては、資料の提出を求め、関係職員の説明を聴取することにより事務処理の状況を確認し、必要に応じて実査・立会い・閲覧等の調査を行う。また、効率的に実施するため、事務局職員によって関係書類・帳簿等の検査照合、計数の把握とともに、事前・事後の調査や実地確認を行うとしている。なお、感染症対策には特に留意し、状況に応じて延期やリモート監査を含め代替手段を講じている。