やまぐち高校生県議会当日の状況
「第10回やまぐち高校生県議会」は、令和6年10月29日に開催された。
開催に先立ち、午前中に高校生議員の任命式を実施。ここで、参加高校生は議員任命書を受領するとともに、議員バッジを付けて、47人の高校生議員が誕生することとなる。
今回は、任命式後、第10回の開催を記念して高校生オーケストラ部と合唱部による記念ミニコンサートを開催し、好評を博した。
ミニコンサート終了後、実際の登壇の動き等のリハーサルを実施。議場という慣れない場所ということもあり、高校生議員は緊張している様子が見受けられた。
そして、午後からは高校生県議会の本番。議長の開会宣言等の後、高校生議員10人が登壇し、質問を行った。
ある高校生議員からは、質問の中で「豊かな自然が山口県の大きな魅力であり、観光資源として生かすために、廃校を活用した田舎暮らし体験プランを実施してはどうか」という提案があり、知事からは「当プランなど、コンテンツを充実させ、大規模な受入れも可能となる修学旅行プランを開発するなど、取組を進めたい」等の答弁があった。
さらに、「若年層の県外の企業への流出等が大きな課題となる中、県内中小企業の魅力向上に向け、県はどのような対策を考えているか」、「デジタル化の発展により高齢者へ公共交通機関を含めた全ての情報が伝わりにくいため、免許返納後も公共交通機関の利用がしやすいような情報提供をどう実行するか」等、様々な分野の質問があった。
全ての質問は紹介できないが、少子高齢化や担い手不足等の課題、あるいは、本県が有する豊かな自然や工業県としての強みを生かした取組など、高校生議員が日常生活で感じ、また、事前学習会を機に調べたであろう率直な質問や提案がなされている。
さらに、学校行事で地域の海岸清掃を実施した経験を踏まえて、海洋ごみに係る質問をされるなど、自身の体験を交えた説得力を持った質問もあり、県執行部も真摯に受け止めて答弁されている。
こうして全ての質問が終了した後、高校生議員全員からの意見書が提出された。
今年度は、「男性の育児休業取得率向上のためのサービスロボット導入」という意見書であり、男性育児休業取得率の低い産業とされる卸売業・小売業、宿泊業・飲食サービス業において、ロボットの導入率を高め、人手の余裕を持たせることで、男性育児休業取得率を向上させるという斬新な意見をいただき、高校生議員全員の賛成で可決された。