はじめに
山口県議会では、若者の議会や政治に対する関心を高め、政治参加意識を醸成することを目的として議場見学の受入れや模擬議会など、小中高、それぞれの段階に応じた取組を実施している。
ここでは、高校生を対象とした模擬議会「やまぐち高校生県議会」を中心に、山口県議会の取組について紹介する。
やまぐち高校生県議会の概要
平成27年に公職選挙法が改正され、選挙権年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられたことを契機に、県議会議長の諮問機関である「議会改革検討協議会」において、本県高校生の議会や政治への関心を高めるきっかけとなる取組が検討され、平成27年10月、高校生による模擬議会の開催が提案された。これを受け、教育庁との協議・調整の結果、平成28年1月に「やまぐち高校生県議会」が初めて開催された。
以降、年1回のペースで開催を続け、今年度、第10回目という節目の開催を迎えることとなった。
内容については、議長、副議長の出席の下、高校生議員が本会議場にて質問、知事等が答弁を行うなど、実際の県議会さながらの形式で実施している。
高校生議員の人数は、県議会議員の議員定数に合わせて47人に設定しており、この10年間で、500人に近い高校生の参加を得ている。
参加校については、教育庁を通じて募集し、県内を五つの地域に分け、各地域4~5校を目安にバランスのとれた参加となるよう配慮している。
なお、高校生県議会は例年秋頃に実施しているが、参加する高校生の主体性を尊重する観点から、参加希望のあった高校生を対象に、夏休み期間を利用し、事前学習会を開催している。
事前学習会では、最初に本会議場において、議会事務局職員から、議場設備や本会議の流れについて案内を受けた後、県執行部から、県の現状や課題、それに対する取組等について説明を受け、議会や県の取組について理解を深めてもらった後、五つの地域に分かれてグループワークを実施し、高校生同士で、各地域2題の質問項目と質問を行う代表者2人について協議、決定していく。
このように、質問項目等は高校生主導で検討するが、同一の質問項目が重複しないよう、また、県議会の役割を踏まえ、地域固有の話題や課題にとどまらず、県全体にわたる広い視野で質疑が行われるよう、必要に応じて職員が助言を行っている。
議会当日は、高校生議員の任命式を行った後、本会議場において、代表者10人が登壇、知事等から答弁。また、高校生議員からの意見書の提出や決意表明を行い、最後に参加者全員で記念撮影を行い、全日程が終了となる。
第10回やまぐち高校生県議会参加者による記念写真