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特集 地方議会と生成AI

2024.11.11 仕事術

議員活動で生成AIを使う方法

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ペルソナの作成と議員間討議

 ここからは、「これぞChatGPT!」という使い方について見ていくことにする。地方議会改革のテーマの一つとして、議員間討議がある。議員間討議の効用はいくつかあるが、その一例として、「多様な意見の抽出」と「論点の抜け漏れの防止」が挙げられる。しかしながら、議会の現場では、議員間討議の活用はあまり進んでいないようである。
 ここでは、あまり活用できていない議員間討議をChatGPTが行う方法を見ていくことにする。ChatGPTが議員間討議をするに当たって、最初に、そこに参加する議員の属性を設定することが必要である。ここでは、6名の市議会議員が参加する設定とする。ChatGPTには、「○○市議会議員の6名のペルソナ(仮想的な人物像)を作成します。会派、性別、年齢、学歴、家族構成、居住地区、関心のある分野がなるべく異なる属性になるように設定してください」という指示を出す。すると、下記のような属性を持つ6名の議員が設定された。

●議員間討議に参加する議員6名の属性

ペルソナ①
名前:田中 一郎(65歳男性)
会派:保守系会派 学歴:高校卒業
家族構成:妻、子ども1人(独立済み)、孫1人 居住地区:農村地域
関心のある分野:農業振興、地域活性化、高齢者福祉

ペルソナ②
名前:山本 花子(45歳女性)
会派:無所属 学歴:専門学校卒業(医療系)
家族構成:独身 居住地区:市中心部
関心のある分野:医療・介護、女性の社会進出、防災対策

ペルソナ③
名前:鈴木 健太(38歳男性)
会派:リベラル系会派 学歴:短期大学卒業(ビジネス)
家族構成:妻、子ども2人(小学生) 居住地区:郊外の新興住宅地
関心のある分野:子育て支援、教育改革、環境保護

ペルソナ④
名前:佐藤 真由美(52歳女性)
会派:中道系会派 学歴:高校卒業
家族構成:夫、両親(同居) 居住地区:住宅街
関心のある分野:高齢者ケア、交通インフラ、文化振興

ペルソナ⑤
名前:小林 修(60歳男性)
会派:保守系会派 学歴:大学卒業(理系)
家族構成:妻、子ども2人(独立済み) 居住地区:工業地帯
関心のある分野:地元企業支援、労働環境改善、防災・防犯

ペルソナ⑥
名前:中村 エミ(30歳女性)
会派:リベラル系会派 学歴:大学卒業(人文系)
家族構成:独身 居住地区:市内アパート
関心のある分野:若者の政治参加、ジェンダー平等、IT・デジタル化推進

 ChatGPTを使うと、このようなペルソナが簡単に作成できる。なお、この時点で、自分の考え方と合わない場合には、合わないペルソナを修正するように指示すればよい。
 次に、属性が異なる6名の議員に、特定の問題について議員間討議を行い、その議事録をまとめるようにChatGPTに指示を出す。そうすると、わずかな時間で、議事録がまとめられる。この議事録を分析して、自分で論点を整理するのもよいが、そのこと自体もChatGPTに任せた方が早い。そこで、「この議論で得られた論点を箇条書きで挙げてください」という指示をChatGPTに出すと、この議員間討議で得られた論点をまとめてくれる。これを参考にして、一般質問や首長に対する質問の作成に生かすというのも一つの手であろう。
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図1 ChatGPTで議員間討議を行う

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