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2024.11.25 New! 議員活動

地方議会と生成AIの今後

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早稲田大学マニフェスト研究所事務局長 中村 健
 

 早稲田大学マニフェスト研究所が実施している「議会改革度調査2023」によれば、「タブレットPCの利用を認めている議会」は約7割(68.2%)であった。もはや地方議会におけるインターネット活用は標準装備といってよい。しかし、その大半は「資料の閲覧」、「メールの送受信」にしか活用しておらず、機器のわずかな機能しか利用していないのが実態だ。本連載では、地方議会における生成AIの利活用について解説してきたが、最終稿の本稿では、地方議会の本来の役割を改めて考察し、そこへの生成AIの活用の有効性について確認したい。

1 地方議会と行政は何のための組織か?

 国政は国会議員の中から首相や大臣を選ぶ議院内閣制を採用しているが、地方自治は政策や事務の内容、予算規模や条例等を決める側(議会を構成する議員)を選び、一方で執行する側(首長)を同じ有権者がそれぞれ選ぶという二元代表制をとっており、国会と地方議会とは、そもそも役割が大きく異なっている。しかし、共通する目的は同じだ。それは「国や地域の利益・住民福祉の向上」である。住民が抱えている不安や課題が小さくなったり未来に希望が描ける環境をつくっていくこと、すなわち、よいまちづくりを推進していくことだ。国は国民に共通した課題(例えば、外交政策や福祉・医療政策、経済政策等々)を、地域は地域の現状をどうにかしたいという課題(公共交通機関・医療機関・商店の減少等々)の解決に取り組んでいくことを期待されている。
 地方自治では、自治体規模によって異なるが年間数十億、数百億、数千億円もの予算を使って事業を実施している。その使途や金額、計画等を決めるのが議会であり、議会が決めたことを効率的・効果的に実施していくのが執行部(首長)という仕組みだ。別の表現をすれば、多額の税金の使途やその内容、まちづくりの方向性や目標等を決めた責任は議会にある(執行部は執行する責任)。


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この記事の著者

中村 健(早稲田大学マニフェスト研究所事務局長)

JR四国社員を経て、平成11年、27歳で徳島県川島町長に初当選。全国最年少の首長となる。町長を2期務めた後、平成16年に川島町を含む4町村が合併し吉野川市が発足するにあたり、地方自治の探求を目的に早稲田大学大学院公共経営研究科に入学。現在は、一般社団法人地域経営推進センター代表理事、早稲田大学マニフェスト研究所事務局長。

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