地方自治と議会の今をつかむ、明日につながる

議員NAVI:議員のためのウェブマガジン

『議員NAVI』とは?

検索

特集 介護と議員

2024.08.13 医療・福祉

これからの介護問題

LINEで送る

介護人材不足の問題

 本稿で様々な介護問題を取り上げましたが、最大の問題が介護人材不足といってもいいかもしれません。介護ロボットやAIに期待する向きもありますが、筆者は焼け石に水と捉えています(抜本的改革の本丸は外国人枠の拡大と考えていますが、問題が大きすぎるため本稿では触れません)。
 なお、介護ロボットの問題については、本間清文「国の思惑どおりに普及しない介護ロボットの問題点」(議員NAVI 2023年4月25日号)(12)を参照してください。
 次の表は、国の資料を基に作成した2040年度の介護職員の必要数から筆者が充足率として改変したものです。これを見ても、地域差がかなり現れていることが分かります。
Tokushu_hyo

出典:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41379.html
表 第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数

 一方で、こうした問題への自治体の動きとして、東京都は2024年度から介護職とケアマネを対象に特別手当を創設しました(13)。介護職員については、最大2万円の手当が付き、大きな福音です。埼玉県に住む介護職員でも勤務先が東京都であれば給付の対象になります。
 しかし、これは埼玉県にしてみれば、介護職員が東京都へ流れていってしまう状況を招く事態につながりかねません。自治体間で介護職員やケアマネの争奪戦のようになり、お金のある自治体だけが勝つような事態は正しいのでしょうか。
 介護職員不足やケアマネ不足により、被保険者が保険料だけ徴収されて、必要なサービスを受けられなくなったとき、介護保険は破綻を迎えます。「制度あって、サービスなし」の事態を回避すべく、この問題もやはり自治体から発信する必要があるのではないかと思います。

認知症をめぐる問題について

 認知症をめぐる問題については、様々な切り口があります。大きな問題としては、認知症による精神症状など疾患や医療的側面からの問題。そして、一個の独立した個人を前提として構築された、近代社会における法的側面があるかと思います。そして、これらの問題については、自治体レベルで扱うというよりは、国や制度レベルの問題が多いかと思います。
 その意味では、本間清文「地域共生社会の鍵となる金銭管理の支援~日常生活支援事業をめぐって」(議員NAVI 2024年5月13日号)(14)に記載した金銭管理の問題などが身近な地域レベルの問題かと思います。

この記事の著者

編集 者

今日は何の日?

2025年 425

衆議院選挙で社会党第一党となる(昭和22年)

式辞あいさつに役立つ 出来事カレンダーはログイン後

議員NAVIお申込み

コンデス案内ページ

Q&Aでわかる 公職選挙法との付き合い方 好評発売中!

〔第3次改訂版〕地方選挙実践マニュアル 好評発売中!

自治体議員活動総覧

全国地方自治体リンク47

ページTOPへ戻る