3 地域住民へのPR
受賞事業者にはPRステッカーも併せて贈呈し、事業所の入り口や社用車に掲示することで、「自治会活動を応援している事業者」であることをPRしていただけるようにしています。このPRステッカーは、北九州市の花である「ひまわり」を用いたデザインになっており、地域住民と事業者が協力し、大小様々な活動が継続して行われることにより花が開き、大きな輪になってもらいたいという意味を込めたものとなっています。
また、北九州市のホームページで受賞事業者を公表するとともに、受賞事業者名や推薦自治会名、支援内容、表彰式での写真を1枚のパネルに表示したものを該当地域の市民センターに掲示することで、広く地域住民の目に留まるようにし、表彰事業者のPRにも努めています。
さらに、受賞事業者には、「北九州市建設工事総合評価落札方式」において加点が受けられるようにし、受賞事業者にもメリットがあるようにしています。
地域住民に受賞事業者の地域貢献活動を知ってもらうことで、受賞事業者のイメージアップや従業員のモチベーションアップを図るとともに、自治会への加入促進や地域活動への参加のきっかけづくりになり、地域コミュニティの活性化につながればと思っています。
4 効果
地域からは、
・自治会役員の高齢化や人手不足が課題となっており、地域活動に従業員が参加してくれることで、美化活動や青少年の健全育成、お祭り等、地域行事の継続が可能となっている。
・職場体験や「ながら見守り」宣言による登下校時の児童の見守り等、独自の活動で地域に安心感を与えている。
・会社や代表者が所有するマンションの住民に対して、自治会加入の働きかけを行い、加入促進に貢献してくれている。
・高齢化や人口減少に伴い、自治会活動への参加者が不足する中、従業員を積極的に地域の行事や活動に派遣したり、協賛金を提供する等、物心両面で協力してくれている。
等の声が上がっており、受賞事業者が、地域にとって大きな良い影響を与えていることがうかがい知れます。
5 今後の展開
自治会は、住民自らが組織し、防災や防犯、高齢者や子どもの見守り、まちの美化等、暮らしの根底を支えている団体であり、地域コミュニティの中心的な役割を担っています。しかしながら、少子高齢化や核家族化、多種多様なライフスタイル、インターネットやスマートフォン等の情報機器の発達・普及等、地域を取り巻く社会環境は大きく変化しており、自治会への加入率は年々低下しています。また、
① 「自治会の活動や運営の状況が分からない」、「地域活動に参加する時間的余裕がない」等の理由から、若い世代の加入が進んでいないこと。
② 共働き世帯や単身世帯が増える中、役員を引き受けることが負担となり、自治会から脱会するケースが増えていること。
③ マンション等の集合住宅そのものが、自治会に加入しないケースが増えていること。
等の理由も、自治会の加入率低下の原因となっています。
誰もが生き生きと、安心して暮らせる地域づくりのためには、地域に根差した事業者の皆様と自治会をはじめとした地域住民が、手と手を携えて、ともに歩んでいくことが大切です。コロナ禍では、これまで当たり前としていた生活が大きく変容し、人と人との「絆」や「つながり」の大切さを改めて感じてきたところではないでしょうか。地域の人間関係が希薄化する中、自治会の存在意義は高まり、その役割はますます重要になってきています。
このような状況の中、自治会の活動を広く地域住民に周知するため、また、受賞事業者の従業員に地域活動に関心を持ってもらい、勤務先だけでなく居住地でも地域活動に参加してもらうためにも、この表彰制度は地域コミュニティの活性化の一助であると考えています。