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特集 今どきの選挙運動

2023.10.25 選挙

お願い型の選挙から政策型の選挙へ

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問題提起

(1)誰でも・どこからでも投票ができるようにならないか?
 現在の公職選挙法では、18歳以上の者は誰でも投票権を有している。しかし、その権利を行使できるかといえば、誰もが行使できる環境にはない。例えば、投票日の前日に骨折をして入院してしまった、あるいは、出産のため入院してしまったという人がいたとする。彼らは投票所へ行けないため投票はできない。やむを得ず投票所へ行けない人のために郵便による不在者投票制度というのがあるが、これは身体障害者手帳や戦傷病者手帳を持っていないと対象にはならず、しかもこの場合でも事前に手続が必要である。すなわち、現代の投票は「投票所へ行く(行ける)人」のみが投票できる選挙事務になっている。
(2)選挙公約は選挙のときにしか公開されないのか?
 選挙の当選によって4年の間、自治体の予算や計画の審議や方向付けという巨大な権限を有する為政者には、選挙の際に住民へ示し約束する「選挙公約」がある。選挙公約は選挙管理委員会という公の組織が責任者となり税金で発行されるものである。選挙期間中は選挙管理委員会のホームページに掲載されたり、新聞の折り込みや回覧等で各戸へ配布される。しかし、選挙が終われば選挙公約は形も話題も蒸発し、姿がなくなることが常である。有権者は自らが保管しておかなければ選挙公約(選挙公報)を選挙後に確認することは困難であり、当事者である当選した為政者も自分が選挙のときに掲げた公約を忘れているケースが多い。これでは、有権者が投票の際に期待したことと4年間の実際の活動が異なる場合も発生してしまうおそれがある。選挙公約は「守られるもの」でなく「選挙を勝ち抜くためのもの」になっている場合、有権者の政治への信頼はますます小さくなっていく。
(3)選挙や政治は「日常とかけ離れた世界」といわれるのか?
 選挙期間中は街中が騒がしくなる。選挙となれば鉢巻きを締めてタスキをかけ、チラシを配って車を走らせスピーカーで拡声し「お願いします」と連呼と握手……。選挙期間に入ったとたんに穏やかな日常からかけ離れるのが選挙である。地域のお祭りなら老若男女が力を合わせて皆でつくり上げようという雰囲気になるが、選挙は特定の人が事務所に出入りして車に乗り込みマイクを握ってスピーチするという、冷静に考えれば、お祭りとは異なりちょっと近づき難い様相を呈している。一般的な意見として「自分や身内が選挙に出ることなんてあり得ない」という。昔は、選挙は地域を挙げて応援し、地域から代表者を出して地域利益のために頑張ってもらおうという趣旨があったが、今は「おらが地域」に固執するのではなく自治体全体の最適を考えたり、さらには自治体の枠を超えた広域という考え方が広がってきているため、昔型の選挙は現代の価値観とはギャップが大きくなっているようだ。本来、政治は日常の不安や不満を解決したり地域の将来を創造したりと、日常の中にあるはずなのに……。

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