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特集 求められる議会事務局

2022.03.25 議会事務局

議会改革 そこに風が吹くか

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原点は「お茶くみの廃止」!?

 取組みのうちのいくつかをご紹介しましたが、さて、取手市議会での議会改革はどのようにして始まったのでしょうか。その原点は「お茶くみの廃止」だという話があります。当時、議長まで務め、議会改革を推し進めていた議員が、「不満や、やってみたいことはないか」と事務局職員一人ずつに声をかけたのです。そして実行されたことの一つが、委員会中のお茶くみ廃止でした。「お茶を入れ終わると別の委員会の茶碗洗いが始まる」など、他部署の応援まで頼んで行っていたお茶くみは、結構な労力を強いられていたそうです。
 ここで伝えたいのは、お茶くみがなくなった効果ではありません。議員側が「何かやってみたいことはないか」、と事務局に尋ねてくれた「コトの大きさ」です。議員が目線を下げてくれることで、事務局職員が普段思っていることや思いついたことをいいやすくなるということです。
 議員側がそれを受け入れてくれるとき、事務局はどのように備えておくとよいのでしょうか。堅くいえば、幅広い知見をもって様々なアイデアを提供できるように備えておくとでも申しておきましょうか。最近の好例としてはオンライン会議の導入です。令和2年の冬、世の中は新型コロナウイルス感染症への対策として社会活動を著しく停滞せざるを得ませんでした。この騒動を見越していたわけではありませんでしたが、Zoomというオンラインビデオ会議システムを「今後の何かのため」に学んでいた事務局職員が、「これなら議会活動を継続できます」と議長に伝えました。そこから約2週間、首相の緊急事態宣言発表から3日後に「取手市議会災害対策会議」をZoom上で開催したのでした。備えがあったのです。
 また、事務局職員が学んできたファシリテーション研修の手法が、課題抽出に役立った例がいくつかあります。議会基本条例は都度見直すこととしていますが、条文を一つずつ現状と見比べて検証するときには、様々な意見が混沌(こんとん)としがちです。その整理には、評価シートを作成し点数付けをして議員が討議しやすいように工夫。ほかにも、大勢の多様な意見を共有して課題解決策を探るワールドカフェの手法なども、実践しています。議員同士や、市民との意見交換会、県内の他自治体議員を招いてなど、様々な場面で活用することで会議規則の改正などにつながっています。

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