【コラム】
議会だよりの創刊から15年──忘れていた創刊の初心
「ありのままを伝えよう」・今後の期待
議会だより61号(平成11年5月発行)をどのようにまとめたらよいのか。当時私は委員長として簡単に考えていましたが、その責任の重さから改めて胸を強く打つものがあることを感じました。そしてそのときの厳しい心境を「編集後記」に率直に書きました。それは15年の間にいつの間にか忘れていた初心であり、「ありのままを伝える」ということでした。そのことを一番強く感じたのでした。
議会だより61号は、その年の町村議会広報全国コンクールで優秀賞(全国2位)を受賞しました。そのときの講評では、「議会倫理調査特別委員会の報告の記事」が「事実に基づいた率直な情報提供を実行しており、住民読者のさらなる信頼感を得る」として高く評価されました(「地方議会人」1999年3月号より)。
また、平成12年度の第15回町村議会広報全国コンクールで最優秀賞を受賞した際の講評では、「議会広報紙として必要な内容を、手際よく整理し、読みやすい文章で解説・掲載されている。特に仕分けが見事で、読み手にとっていい流れをつくり出している」との評価をいただきました(「地方議会人」2000年3月号より)。
今、議会だよりは152号です。
私が50号のときに気づいたことは、「精一杯」の50冊の広報紙に込められた重みでした。
改めて創刊号に思いをはせるとき、誰一人として知らない人同士であっても、「今よりもよりよい町に」という目指す方向は同じ、広報の意義を知らないままにもその思いを説き、町民への心配りを語るまでもなく、その人の持つすばらしい人間味が自然に紙面や行間に表れ、使われる言葉が人格を表し、相手の心を打つのでしょう。それにも高められ感激をした一人です。
議会だよりの創刊当時、議会事務局の業務と兼任で書記としてお世話になった学卒間もない二人の若人がいました。
一人は現在、田布施町長として頑張っておられます。駒沢大学経営学部の出身で、町政の運営に役立つ勉学を積まれていました。私などはよく知らずに失礼な態度をとっていたのではないかと詫(わ)びている状況ですが、来庁された人には礼儀正しく応対され、総務課のホープと思っていました。
当時、町の議会が何かを積極的にしようとすると、国や県、時には町自体の条例によってブレーキがかかることもしばしば体験しました。
こうしたとき、同氏は活躍してその議会の思いを適切に実現してくださいました。大変心強く思ったもので、全国的にもめずらしかったので話題になりました。
もう一人の方は現在、田布施町の副町長として活躍されています。大学は広島大学法学部で勉学に励まれたのでした。
町長、副町長はじめ町の職員は、それぞれの持ち場持ち場におけるよき相談相手です。
議会だよりは創刊号から38年、多くの町民が自分のこととして育てられ、今、152号になりました。また、議員方も研修と話し合いを重ね、将来に向かって住民の福祉と町の発展のため活躍されていることは頼もしい限りです。
この原稿を通して、田布施町を思われ、町政に、議会に、惜しみない努力と研さんを積まれた方々に心からの感謝と敬意を表します。
議会だより65号が全国最優秀賞に輝き、すばらしい歴史に残る快挙に心を躍らせた日を忘れることができません。あれから21年。これからも「議会だより」の発行と皆様のご活躍を願ってやみません。