「モニター制度」の設置経緯と詳細
本町は昭和30年1月1日に1町3村が合併して新しい田布施町になりました。古くから政治意識や中央集権的志向が強い傾向がありましたが、昭和30年代から本町出身である岸信介、佐藤栄作両宰相の影響を受け、一層強いものとなりました。「議会だより」が町民の要請によって始まったことも、そうした地域の風土に要因があったといえます。
平成13年、「たぶせ議会だより65号」が町村議会広報全国コンクールで最優秀賞を受賞しました。そのとき、議会広報広聴調査特別委員会でこれからの議会だよりのあり方を検討し、「広報」の原点に立ち返り、知らせるだけでなく、受け手の声を広く聴く「広聴」に努めようという結論を得ました。そこで、平成14年に「議会モニター制度」を設置し、運用を始めました。
また、平成26年には議会訓令第1号として、「モニター設置要綱」を定めました。
モニター設置要綱(要旨のみ)
1【設置趣旨・職務】
田布施町議会広報の企画・編集に関し、町民の意見・要望を広聴するため、私的諮問機関として、議会広報広聴モニターを置く。
(1)議会広報への意見、提案を年2回投稿する
(2)議会広報に関して議長が必要と認めること
2【定数・任期】
定数10人、任期2年(再任の場合は5年以上の間隔をあける)
3【委員の選任】
(1)町内在住者、満20歳以上、広報に深い関心を持ち、社会的見識を有する人
(2)国又は地方公共団体の議員又は職員でない人
(3)一般公募による人
(4)議員から推薦のあった人
※(3)(4)から地域、職業、年齢等を考慮して議長が選任する
4【委員の解任】
(1)モニターの要件を欠くに至ったとき
(2)議長に辞任を申し出たとき
(3)職務遂行が困難となる事由が生じたとき
(4)前号のほか、議長が必要と認めたとき
5【モニター懇話会】
議会との連絡調整を図るため、必要に応じて懇話会を開催する。
6【広報活動への反映】
議会広報委員会は、モニターから提出された意見、提案等を広報活動へ反映させる。
7【庶務】
モニターに関する庶務は議会事務局において処理する。
8【その他】
この要綱に定めるもののほか必要な事項は議長が別に定める。
これまでに、モニターの方からは多くの提案や要望をいただきました。また、創刊間もない時期から、町民からの提案や要望、感想等は多く寄せられており、それを合わせると、これまで延べ500人近くの町民の方に意見を寄せていただいたことになります。
近年いただいた意見には、次のようなものがあります。
① クイズコーナーがあったらいい。
② 高齢化が進んでいるので、文字の大きさ、段数を検討してほしい。
③ 表紙は写真があるため毎号カラーがいい。
④ 本会議と委員会レポートのページで議案の重複があるため、分かりにくい。
これらの意見は広報委員会で検討し、次のように変更や実施をしています。
① 139号(平成30年10月)から、田布施町内のことを出題するクイズコーナー「発見!クイズたぶせ?」を掲載。
② 145号(令和2年4月)から文字の大きさを12ポイントと大きくし、縦の文字数を13字に変更。また、150号(令和3年7月)から全てのページの段組を6段から5段に変更。
③ 150号(令和3年7月)から、ホームページには表紙をカラーにして掲載。
④ 152号(令和4年1月)では、委員会レポートを本会議のページに入れて、議案の重複掲載をなくした。
モニターを引き受けてくださった人は、議会だよりをしっかり研究して意見をくださるため、よりよい議会だよりの作成につながり、広報委員も大変感謝しています。
モニター制度を運営する上で難しくなってきていることは、モニターを募集しても応募がないことです。そのため、現在は議員が探している状況です。各地域から2人ずつの合計10人に依頼することは、これから難しくなっていくのではないかと思っています。
改善点として、これまでモニターからの提案や意見を、議会だよりのどこに反映させたのかを知らせてこなかったので、懇話会等でモニターにきちんと知らせるようにしたいと考えています。